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掲載開始日:2014年1月6日

最終更新日:2014年2月1日

平成26年 区長年頭の挨拶

新年あけましておめでとうございます。

平成26年のすがすがしい新春を迎えるにあたり、区内各界を代表される皆さま方と、このように一堂に会し、和やかに交歓できますことは、私にとりましてこの上ない喜びでございます。

皆さまには、北区政に対しまして、日頃から、温かいご支援とご協力をいただいておりますことを、心から厚くお礼申し上げます。

さて、昨年を振り返りますと、明るい話題が多い一年となりました。

6月には、富士山が世界文化遺産に、先月には、「和食」の食文化が無形文化遺産に登録されました。どちらも、日本の象徴であり、世代を超えて受け継がれ、なおかつ、地域や人と人との結びつきを強めてきた大切な財産です。末永く後世に引き継いでいきたいものであります。

また、なんといっても、昨年の最大の話題は、2020年のオリンピック・パラリンピックの開催都市が東京に決定したことです。これまで、東京招致に向けて、町会・自治会の皆さまをはじめ、各関係団体等、多くの皆さまのご協力をいただきまして、誠にありがとうございました。ナショナルトレーニングセンターや東京都障害者総合スポーツセンターなど、オリンピック・パラリンピック関連施設を複数抱える北区といたしましても、区民の皆さまに多くの感動や勇気を届け、また、未来を担う子ども達に夢と希望を与えられるよう、全力で大会をサポートしていきたいと考えています。

一方、北区でも、昨年は様々な事がありました。

まず、4月には、旧新町中学校跡地に、区内で10か所目となる特別養護老人ホームが開設し、7月には、同跡地に、区内で2か所目となるコミュニティアリーナをオープンさせました。学校施設跡地は、区民の皆さま共通の貴重な資産です。今後も、基本計画等の実現のため、有効に活用してまいります。

そして、9月には、滝野川紅葉中学校が新校舎に移転し、この4月には、赤羽岩淵中学校も新校舎の開設を迎えるなど、これからの北区を担う子どもたちのために、計画的に教育環境の整備を行いました。

また、昨年は二度に渡る不発弾の処理も行いました。太平洋戦争が終わって68年、相次ぐ不発弾の発見は、未だに、戦争の爪跡が残っていることを実感するものでありましたが、関係者や地域の皆さまのご理解、ご協力をいただきまして、無事、安全宣言を行うことができました。今後とも、区民の皆さまの生命、財産を最優先に、万全で機動的な危機管理体制の整備に努めてまいります。

もう一つ、うれしいニュースがあります。北区アンバサダーである「弦哲也」さんの全面協力のもと、平成22年から開催してきました「北区(きた)の演歌座」ですが、同年、大賞を受賞した「工藤あやの」さんの歌手デビューが決定しました。水森かおりさんに続く、「さくらのまち・北区」から花開いた新しいスターです。全面的に応援をしてまいりたいと考えています。

次に、経済に目を転じますと、景気は緩やかに回復しつつあるものの、海外景気の下振れが、引き続き、日本の景気を下押しするリスクとなっていることが懸念されています。

国においては、税収不足を多額の赤字国債発行で賄わざるを得ない状況が続き、昨年、6月には、国債や借入金等の残高が、初めて、1000兆円を超えるなど、厳しい財政状況が、改めて浮き彫りになっています。

このような状況下において、国は、昨年末に法人住民税の一部国税化を閣議決定しました。このことは、北区最大の歳入である都区財政調整交付金に多大な影響を及ぼすこととなり、北区としても、今後、ますます厳しいかじ取りを迫られることが想定されます。

その対応策として、基金の取り崩しや起債の効果的な活用などに取り組んでまいりますが、今後は、事業の縮減や廃止といった大胆な見直しも、避けられないものと考えています。

また、北区では、昨年、今後の公共施設のあり方などを取りまとめた「北区公共施設再配置方針」を策定しましたが、事業と同様、公共施設についても、廃止や複合化といった、大胆な見直しを検討していかざるを得ないものと考えています。区民の皆さまには、ご理解とご協力をお願いいたします。

それでは、これより、年頭にあたりましての北区政の現況と今年の主要課題の一端をご説明申し上げます。

北区では、昨年の暮れに、平成26年度を初年度とし、今後3年間に進めていく事業や方向性を示す、中期計画の案を公表いたしました。

現在、北区は、急速に進行する少子高齢化や人口減少社会の到来など、生産年齢人口の減少による「人口構成の不均衡」が生じています。このことは、コミュニティのあり方や、まちの活力に大きな影響を及ぼしており、ファミリー世帯を中心とした定住化が重要な課題となっています。

そこで、中期計画案では、改めて「ファミリー世帯の定住化」と人と人のつながりを大切にする「地域のきずなづくり」、この2つを北区の最重要課題として位置付け、その上で、誰もがゆとりと豊かさと夢を実感できる魅力ある北区づくりを、「区民とともに」の基本姿勢と4つの重点戦略のもと、今後も進めていくこととしました。

なかでも、「地震・水害に強い安全・安心なまちづくり」、「長生きするなら北区が一番」の実現、そして、「子育てするなら北区が一番」の充実を特に3つの優先課題として、積極的に取り組むことといたしております。また、面的整備を中心としたまちづくりの一層の推進や東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据えた環境整備にも積極的に取り組んでまいります。

まず、「地震・水害に強い安全・安心なまちづくり」に、全力で取り組むことについてです。昨年度、改定いたしました「地域防災計画」を実現するための総合的な災害対策を、面的整備を中心としたまちづくり施策と連携を図りながら推進してまいります。

地域の防災意識、結束力の向上を目指し、「地区防災運営協議会」の設置、支援を行うとともに、医療救護対策、避難所の管理運営体制の構築を進めてまいります。

集中豪雨対策については、引き続き、雨水流出抑制施設の整備や東京都から下水道事業の一部を受託して、浸水対策を進めるなど、一層力を入れてまいります。
次に、「長生きするなら北区が一番」の実現です。日本全体が、本格的な超高齢社会を迎える中で、23区で最も高い高齢化率の北区が、新たな都市モデルを創造すべく、取り組みを進めてまいります。

なかでも、健康寿命の延伸や介護予防事業の総合的推進、そして、高齢者が在宅で安心して療養できる体制の構築に向け、介護と医療の連携を強化してまいります。

また、元気な高齢者に対し、多岐にわたる事業の情報を発信する元気高齢者支援窓口を開設するとともに、高齢者のボランティア活動を後押しする高齢者いきいきサポーター制度を開始します。

その他、町会・自治会の皆さまのご協力もいただきながら、地域の見守り、支え合い活動を、さらに拡充するとともに、旧富士見中学校跡地に、区内で15か所目となる「高齢者あんしんセンター」を開設してまいります。

次に、子育て支援策についてです。これまでの取り組みをさらに進め、「子育てするなら北区が一番」をより確かなものとし、「ファミリー世帯の定住化」につなげてまいります。

現在、保育園については、23区の中でも、一番の整備率を誇っていますが、今年は、新たに、「浮間さくら草保育園」が開園するほか、「神谷北つぼみ保育園」及び「滝野川北つぼみ分園」を開園します。その他、区立保育園の定員拡大も予定しており、待機児童解消策については、他区をリードしてまいります。

また、北区の地域特性を踏まえた放課後子どもプランを推進していくほか、こうした、先進的かつ魅力ある子育て支援策を区内外に戦略的、効果的に、広くPRするための「子育て応援サイト」を構築してまいります。

教育分野においても、「教育先進都市・北区」を一層推進していくために、いじめ問題解決に向け、「(仮称)いじめ防止条例」の制定を行うとともに、なでしこ小学校をはじめ、新たに、田端中学校、稲付中学校の改築に着手するなど、時代に即した安全・安心で快適な教育環境の整備に取り組んでまいります。

次に、産業についてです。

区内企業や商店街が今、大変厳しい状況にあります。金融対策の充実を図り、商店街のイベント、区内共通商品券の発行支援など景気対策にも積極的に取り組んでまいります。

まちづくりでは、特に、「防災まちづくり」と「駅周辺のまちづくり」の2つを中心に、施策を充実していきます。

防災まちづくりでは、東京都の新たな制度である木密地域不燃化十年プロジェクトに基づき、木造住宅密集地域の整備事業を強力に進めてまいります。

駅周辺のまちづくりでは、十条駅西口の再開発事業を支援、推進するとともに、鉄道立体交差化事業にも積極的に取り組んでまいります。

また、王子駅周辺のまちづくりでは、グランドデザインの策定や関係者間との検討組織を立ち上げるなど、取り組みを本格化してまいります。その他、板橋駅や浮間舟渡駅の駅前広場の整備についても検討を進めてまいります。

橋梁の整備では、新田橋をはじめ、懸案となっていました十条跨線橋の架け替え、それに伴う、東十条駅南口駅前広場の整備を進めてまいります。

環境対策では、新たに、集合住宅や事業所を対象とした省エネ対策を推進するとともに、緑化推進モデル地区の指定を行ってまいります。

スポーツでは、「(仮称)赤羽体育館」の建設工事に着手するとともに、2020年、東京オリンピック・パラリンピック開催を見据えた取り組みを新たに開始します。まずは、「スポーツ」、「おもてなし」、「ユニバーサルデザイン」の視点に立った環境整備を進め、「トップアスリートのまち・北区」を積極的にアピールしてまいります。

以上、北区政の現況と主要課題の一端を申し上げてまいりましたが、それぞれの施策は、有機的に連携を図り、総合的に進めることで、効果を高めていくものです。そのキーワードが、「人と人とのつながり」や「地域のきずな」、「地域力の向上」であり、これらを、より確かなものとして築き上げ、未来へつないでまいりたいと考えています。

人口減少、超高齢社会の到来、公共施設の更新需要、防災対策など、行政需要は増大しております。本日、お示しをしました施策を着実に進めるためにも、引き続き、改革への歩みを止めることなく、経営改革「新5か年プラン」を絶え間なく推進し、更なる内部努力の徹底や歳入確保などに努めてまいります。

平成26年は、午年の中でも「甲午(きのえうま)」という年です。午年は「飛躍の年」と言われていますが、一方で、「甲(きのえ)」という文字は、「甲羅のような堅い殻に覆われた種の状態」を表した意味があるそうです。今年は、将来の大きな飛躍、発展を見据え、じっくりと力を蓄えるための礎を築く、そうした一年とすべく、決意を新たにしたところであります。

私は、これからも、職員と一丸となり、北区の将来像である、「ともにつくり未来につなぐときめきのまち-人と水とみどりの美しいふるさと北区」の実現に向け、全力で取り組んでまいります。

そして、「北区に生まれて良かった。」、「北区に住んで良かった。」という実感と誇りを将来の世代に残していく、これが、私の目指す、北区政の基本です。

区民の皆さまには、引き続き、温かいご支援とご協力を賜りますようお願い申しあげ、平成26年の年頭にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。

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