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掲載開始日:2016年1月4日

最終更新日:2016年1月4日

平成28年 区長年頭の挨拶

28年年頭の挨拶新年あけましておめでとうございます。

平成28年のすがすがしい新春を迎えるにあたり、区内各界を代表される皆さま方と、このように一堂に会し、和やかに交歓できますことは、私にとりましてこの上ない喜びでございます。

皆さまには、北区政に対しまして、日頃から、温かいご支援とご協力をいただいておりますことを、心から厚くお礼申し上げます。

昨年の選挙におきまして、区民の皆さまからご支持をいただき、4期目の北区政を担わせていただくことになりました。

これまでの12年間の実績をふまえ、まだ道半ばであるまちづくりや定住化対策に機を逃さず持てる力を発揮し、力強く推進するとともに、区民の皆さまの笑顔があふれ、一人ひとりが輝き夢と希望の持てる北区の未来のために、力を尽くし、皆さまの信頼と期待に応えていく覚悟です。
どうぞよろしくお願いいたします。

さて昨年を振り返ってみますと、日本にとって未来に向けての希望や夢が膨らむ出来事が多かったように思います。

北里大学特別栄誉教授の大村智氏がノーベル生理学・医学賞を、東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章氏がノーベル物理学賞をそれぞれ受賞しました。

また、7月には、長崎県の軍艦島など全国23の施設「明治日本の産業革命遺産」が、世界文化遺産に登録されました。

スポーツの分野では、ラグビーのワールドカップイングランド大会における日本チームの活躍は、ラグビーの素晴らしさとともに、チーム一丸となって、努力を重ね、最後まで力を合わせ戦うことの大切さや、夢や希望そして、勇気を私たちにもたらしてくれました。

このような国際舞台における日本の活躍や日本文化の素晴らしさが世界的に認められたことは、未来を担う子どもたちにとっても、将来に向けての大きな目標となるとともに、日本全体にとって誇りであり、大きな活力の源となると思います。

さて、北区の昨年を振り返ってみますと、3月には、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、さらには10年後の北区を見据えた「北区基本計画2015」を策定しました。この計画に基づき、人が輝く、まちが輝く、そして未来が輝く「ふるさと北区」の実現に向けて、「地域のきずなづくり」、「子育てファミリー層・若年層の定住化」を最重要課題とし、様々な施策を推進しております。

7月には、人口減少・少子高齢化の進展が日本全体として大きな課題となっている中、北区の人口が20年ぶりに34万人を突破しました。

これまでの保育所待機児童解消や産前産後の負担軽減、育児不安の解消など子育て施策の充実の取組みが評価されたものと考えています。

また、北区の魅力の発信の一つとして、東京オリンピック・パラリンピックを見据えた事業では、フェンシング・車いすフェンシング教室の開校、「ROUTE2020トレセン通り」PRイベントも開催しました。

さらに、地域のきずなづくりにつきましては、10月を「北区きずなづくり月間」とし、区民の皆さまとともに、具体的な取組みに着手するなど、「北区基本計画2015」のスタートの年として、各分野において、力強く推進してまいりました。

さて、日本経済に目を転じますと、一部に弱さはみられるものの、緩やかな回復基調が続いています。

一方、世界経済におきましては、中国経済をはじめとするアジア新興国などの景気が下振れするなど、日本の景気を下押しするリスクとなっています。

このような中、北区では、資産の有効活用や特定目的基金の積み立てを行うなど将来の行政需要を見据えた計画的な財政運営を行い、財政力を着実に高めてまいりました。しかし、法人住民税の更なる国税化の拡大や法人実効税率の引き下げの前倒しなど都市部の財源を奪う動きがこれまで以上に強まっており、不透明感は続いております。

少子高齢化の対応をはじめ、本格化するまちづくりへの一層の推進など、事業の優先順位を定めた上で、区の重要課題に積極的に取組みを進め、未来に向け、夢と希望を着実に実現する区政を進めてまいります。

それでは、これより年頭にあたりましての北区政の現況と今年の主要課題の一端をご説明申し上げます。

北区では、昨年の暮れに、国の「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、人口減少・少子高齢化社会に対応するため、「北区人口ビジョン(案)」と「北区まち・ひと・しごと創生総合戦略(案)」をまとめました。「北区人口ビジョン(案)」の中では、2060年を見据えた北区の目指すべき将来の方向を『「生まれ・育ち・住んで良かったと思える「ふるさと北区」を実現し、首都東京の自治体として「30万都市・北区」を未来につなぐ。』としました。この方向性を実現するためのものが、北区版総合戦略です。総合戦略(案)では、「子育てするなら北区が一番をより実感できるようにする」「まちづくりの一層の推進を図り、北区の個性や魅力を発信する」「他自治体とともに発展できる取り組みを進める」など、5つの基本目標を立て、この5年間で集中的、重点的に取り組む事業を掲げました。これらの事業を「北区基本計画2015」とともに進め、人口減少・少子高齢化社会の進展に歯止めをかけ、2060年においても活力ある北区を維持し、未来へとつないでまいります。

次に「北区基本計画2015」に基づく、3つの優先課題についての取組みについてです。

まず、「地震・水害に強い安全・安心なまちづくりに全力」で取り組むことです。

昨年に引き続き区内全域を対象に、防災行政無線のデジタル化を進めるとともに、避難所機能の強化・充実を図っていきます。

また、全国で被害が拡大している風水害、土砂災害に備え、風水害を想定した訓練の実施や擁壁改修支援の拡大、土砂災害ハザードマップの作成などに取組み、対策の一層の強化を図ってまいります。

次に、「長生きするなら北区が一番」の実現についてです。「高齢者あんしんセンター」の区域再編を行い、新たに2か所の整備をし、さらなる機能強化を図ってまいります。

高齢者の皆さま一人ひとりが、いくつになっても地域の中で安心していきいきと暮らせることが大切です。

住み慣れた地域での、高齢者の在宅療養生活を支えるため、介護と医療の連携・強化の仕組みづくりに新たな内容も加え、引き続き取り組んでまいります。

また、認知症への早期対応に取り組むほか、多世代が助け合えるしくみづくりについての調査研究にも着手してまいります。

また、高齢者が自ら輝くことのできる社会を目指し、就労やいきがいづくりの支援に関する北区モデルの検討を行います。

次に、「子育てするなら北区が一番」をより確かなものにすることについてです。

安心して妊娠・出産・育児ができるように、産前産後のサポート事業や、出産子育て応援事業として「はぴママきたく」を開始し、妊娠期・出産後に専門職による面接を行うなど、出産前から切れ目のない子育て支援の充実を目指します。

さらに保育園の待機児童解消策として4月には、430名の定員拡大を図り、子育てしながら働く世帯の支援に力を入れてまいります。

また、教育の分野では、「教育先進都市・北区」をさらに前に推し進め、知・徳・体、そして、グローバル人材の育成など、子ども達が、自らの力で人生を切り拓き、将来、様々な分野で活躍できることを目指して取組みを進めてまいります。

また、なでしこ小学校の建設工事にいよいよ着手するとともに、第四岩淵小学校のリフレッシュ改修工事など教育環境の整備にも取り組んでまいります。

次に、産業についてです。

新たに、商店街組織の基盤を強化するため、アドバイザーを派遣し、商店街活動を支援してまいります。

また、引き続き、大学や研究機関と連携し、区内ものづくり企業の技術高度化、高付加価値化の促進を支援するため、新たな医工連携も含め、情勢に合わせたセミナーの開催に取り組みます。

さらに就労支援については、再就職支援、起業家支援セミナーを含めた女性の活躍推進応援塾など女性の活躍を一層推進する事業に取り組みます。

観光施策につきましては、昨年度末に「北区観光振興プラン」を策定し、今年度は、「(仮称)北区観光協会」の設立に向け、関係の方々と検討を進めてまいりました。平成28年度中の協会設立に向け、関係機関と調整を図りながら、準備を進めてまいります。

まちづくりの分野では、これまで長年の懸案であったまちづくりが大きく動き出すこの機を逃さず、着実に取組みを進めてまいります。

特に、「防災まちづくり」と「駅周辺のまちづくり」の2つを中心に、積極的に取り組んでまいります。

防災まちづくりでは、東京都との連携を図りながら、木密地域不燃化10年プロジェクトを中心に、十条、志茂、西ケ原地域などの木造住宅密集地域の整備事業を強力に進めてまいります。

十条駅周辺のまちづくりでは、区が積極的に地域に入り十条駅西口の再開発事業を推進するとともに、埼京線の鉄道立体交差事業に、本格的に取り組んでまいります。

また、王子駅周辺のまちづくりでは、いよいよグランドデザインを策定し、東京の北の拠点として、国際都市の創出も見据えた都市交通・物流拠点としての整備、歴史・文化機能・商業機能の強化など「にぎわいの拠点」としての魅力あるまちづくりを、展開してまいります。

環境対策では、区内で発生する温室効果ガスの排出量を削減するため、再生可能エネルギーの利用促進や、新たに住宅用蓄電システムなど新エネルギー・省エネルギー機器の普及にさらに取り組んでまいります。

スポーツでは、2020年、東京オリンピック・パラリンピック開催まで、あと4年半となりました。この機会を北区の魅力や価値を創出する絶好の機会と捉え、引き続き取組みを進めてまいります。「ROUTE2020トレセン通り」の景観をシンボル的町並みとするための整備や手形モニュメントや歴史案内板の設置をしてまいります。

また、平成29年1月のオープンを目指し、「(仮称)赤羽体育館」の建設工事を進め、区民の皆さまがスポーツに親しみやすい環境をより充実してまいります。

このような様々な取組みとともに、現在策定中の「北区シティプロモーション方針」に基づき「住めば、北区東京。」を北区のブランドメッセージとして、北区の個性や魅力を区内外に戦略的、効果的に発信し、多くの皆さまに北区の良さを知っていただき、北区に訪れ、そして住んでいただくことを目指す取組みを進めてまいります。

以上、北区政の現況と主要課題の一端を申し上げてまいりましたが、本日、お示しをしました施策を着実に進めるためにも、引き続き、改革への歩みを止めることなく、「北区経営改革プラン2015」を絶え間なく推進し、更なる内部努力の徹底や歳入確保などに努めてまいります。

昨年12月には、行政需要の増大に対応するために、議会の同意をいただき、副区長を二人体制としました。

また、4月から、より効果的、効率的な区政運営を目指し、教育委員会、子ども家庭部、地域振興部、健康福祉部などの組織改正を行います。

こうした体制整備とあわせ、職員と一丸となり、北区の将来像である、「ともにつくり未来につなぐ ときめきのまち 人と水とみどりの美しいふるさと北区」の実現に向け、全力で取り組んでまいります。

今年は、北区制70年目を迎えます。この記念の年に「北区に生まれて良かった。」、「北区に住んで良かった。」という実感と誇りをだれもが感じられ、未来へつないでいくこのことを目指し、さらなる区政の発展に努めてまいります。

区民の皆さまには、引き続き、温かいご支援とご協力を賜りますようお願い申しあげ、平成28年の年頭にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。