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掲載開始日:2017年1月4日

最終更新日:2017年1月4日

平成29年 区長年頭の挨拶

29区長年頭の挨拶-1新年あけましておめでとうございます。

平成29年のすがすがしい新春を迎えるにあたり、区内各界を代表される皆さま方と、このように一堂に会し、和やかに交歓できますことは、私にとりましてこの上ない喜びでございます。皆さまには、北区政に対しまして、日頃から、温かいご支援とご協力をいただいておりますことを、心から厚くお礼申し上げます。

さて、昨年を振り返ってみますと、日本にとって未来に向けての希望や夢につながる出来事が様々ありました。東京工業大学栄誉教授大隅良典氏がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。3年連続、日本人のノーベル賞受賞という嬉しい出来事でした。また、7月には、東京上野にある国立西洋美術館が世界文化遺産に登録されました。

スポーツの分野では、何といってもリオデジャネイロオリンピックでの日本選手の活躍が頭に浮かびます。日本選手団は、オリンピックで過去最高の41個・パラリンピックでは24個のメダルを獲得しました。また、メダル獲得には至らなかった選手も多くの感動を私たちに与えてくれるとともに、3年半後に迫った2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に大きな期待を膨らませる成果を上げてくれました。こうした世界に認められる日本人の研究成果や技術、また日本選手の活躍は、日本人として誇りに思うとともに、未来を担う子どもたちにとっても、将来に向けての大きな目標になると思います。

一方で、昨年は熊本地震や鳥取地震、度重なる台風の上陸など災害の多い一年でもありました。自然災害の多い日本においては、過去の災害の教訓から学び、対策を講じ、将来に引き継ぐ姿勢が非常に重要であると感じております。私も、区長として区民の皆さまの安全・安心のため引き続き全力で取り組んでまいります。

さて、北区の昨年を振り返ってみますと、3月には、「北区人口ビジョン」、「北区まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、人口という視点から、将来に向け活力ある北区を維持し、未来へつなぐ取り組みを北区基本計画2015とともに進めてまいりました。

「長生きするなら北区が一番」では、地域包括ケアシステム実現のための中心的役割を担う高齢者あんしんセンターを2カ所増設して、全17カ所とし、担当地域を再編しました。

「子育てするなら北区が一番」では、3月には、保育所待機児童がこれまで以上に増加することが予測されたため、平成28年度中に定員を拡大するなど様々な緊急対策を迅速に講じてまいりました。また、教育と子育て分野の連携を強化し、より効果的に施策を展開するため、大きな組織改正を行いました。こうした子育て施策、教育の充実が功を奏し、年少人口も含め、北区の人口はここ数年増加傾向が続いており、昨年11月には、345,000人を越えました。

オリンピック・パラリンピック関連の事業では、引き続き、フェンシング・車椅子フェンシング教室を開催するとともに、区内関係団体との連携を強化するためリレーションシップ協議会を設置しました。さらに、地域のきずなづくりにつきましては、地域円卓会議を3つの地域で取り組むとともに、「きずなトーク」を開始しました。

さて、日本経済に目を転じますと、雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかに回復していくことが期待されていますが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動が懸念されるほか、平成28年度の国の税収見通しが法人税収の落ち込みから下方修正されるとの報道もあり先行きは不透明な状況となっています。

一方北区では、緩やかな景気回復や人口増加により特別区民税は、4年連続で増加しており資産の有効活用や特定目的基金への積み立てなどにより、計画事業等の実現に向けた財政対応力は高まってきました。しかしながら、特別区交付金依存度の高い北区にとって、国の法人税収の動向等今後も予断を許さない財政状況が予測されます。引き続き、事業の優先順位を定めた上で、重点的・効率的な配分に努め、堅実な財政運営の基に夢のある未来に希望の持てる区政を運営することが重要と考えています。区民の皆さまには、ご理解とご協力をお願いいたします。

29区長年頭の挨拶-2それでは、これより年頭にあたりましての北区政の現況と今年の主要課題の一端をご説明申し上げます。

北区では、昨年の暮れに、平成29年度を初年度とする北区中期計画案を公表しました。今回の中期計画は、「区民とともに」の基本姿勢のもと「北区基本計画2015」の着実な推進を基本とし、最重要課題である「地域のきずなづくり」と「子育てファミリー層・若年層の定住化」と、喫緊の課題である3つの優先課題に積極的に取り組むこととしています。あわせて、北区の魅力や新たな価値を創出していくため、「まちづくりの一層の推進」や「東京オリンピック・パラリンピックを見据えた北区の魅力発信」にも積極的に対応することとしています。

まず、「地震・水害に強い安全・安心なまちづくりに全力」についてです。昨年4月に発生した熊本地震等の教訓をふまえ、備蓄物資の中でも災害発生後に重要となる飲料水の確保に力を入れるとともに、復旧復興生活において重要となるり災証明の円滑な発行を行うため態勢の構築に取り組みます。また、がけ、擁壁等の多い北区の地域特性を踏まえ、がけ、擁壁等の概況調査に着手するとともに、洪水ハザードマップを作成し土砂災害から区民を守る取り組みを推進します。

次に、「長生きするなら北区が一番」の実現についてです。誰もが住み慣れた地域でいきいきと暮らしていけるよう医療と介護の連携や認知症施策の推進とともに健康寿命のさらなる延伸を図るため若い世代を対象とした健康チェック事業などを開始してまいります。高齢者の方の住まい確保については、仮称区営シルバーピア赤羽北を開設するとともに、仮称区営シルバーピア滝野川三丁目の設計を進めてまいります。また、特別養護老人ホームについては、4月に仮称さくら荘が開設されるとともに、新たに2カ所の開設に向け建設費補助を行います。

次に、「子育てするなら北区が一番」をより確かなものにすることについてです。安心して妊娠・出産・育児ができるように産前産後のサポート事業を一層充実するため、「産後ショートステイ」事業を開始します。さらに、保育所待機児童解消策に引き続き取組み4月には、約900人の定員拡大を図る予定です。また、東京北医療センターにおける施設型病児保育サービスを開始します。また、区内初となる幼保連携型認定こども園「さくらだこども園」を開設し、就学前教育・保育の一層の充実を目指します。また、教育の分野では、北区初の「施設一体型小中一貫校」の設置に向け、基本構想・基本計画の策定に向け検討に着手します。また、中学生海外交流事業の拡充などグローバル人材の育成にも引き続き、取り組んでまいります。学校の改築では、なでしこ小学校がいよいよ完成を迎えます。あわせて田端中学校・稲付中学校・浮間中学校の建設を進めるとともに、王子第一小学校の基本設計に着手します。さらに、飛鳥中学校については、改築に向けた検討に着手し、教育環境の整備に取り組んでまいります。

次に、産業についてです。地域産業の活性化を目指し、コミュニティビジネスの促進を図るため、空き店舗を活用した、チャレンジショップ支援事業の拡充に取り組むとともに、中小企業の若手人材育成のための支援に取組みます。また、女性の社会での更なる活躍を後押しするため、キャリアアップや、職場復帰等のセミナーを開催します。観光施策につきましては、念願であった「(仮称)北区観光協会」の設立を機に更なる観光振興を目指してまいります。また、北区を訪れる外国人旅行者のためWi-Fi(ワイファイ)利用環境の整備などにも取り組みます。

まちづくりでは、本格化するまちづくりの推進に向け「都市計画マスタープラン2020」の策定に着手します。また、特に、今まさに大きく動き出してきている「駅周辺のまちづくり」を力強く推進してまいります。王子駅周辺においては、グランドデザインを策定するとともに、国立印刷局とは、印刷局王子工場との共存共栄を基本に、用地の一部取得に向け、着実に協議を進めており合意が図られつつあります。北区といたしましては、新庁舎建設に向けて、確かな足がかりをつけるとともに、グランドデザイン策定後は、先行実施地区として王子駅前を中心としたエリアの整備計画をまとめてまいります。十条駅周辺においては組合設立を目前に控えた十条駅西口の再開発事業の更なる推進を図るとともに、埼京線の鉄道立体交差事業に、本格的に取り組んでまいります。

スポーツの分野では、いよいよ、待望の「赤羽体育館」がオープンし、今月末には、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を見据えたオープニングイベント等も予定しています。今後区民の皆さまのスポーツ活動の新たな拠点として有効活用されることを期待しております。そのほか、「トップアスリートのまち・北区」の積極的推進のため、スポーツ施設のバリアフリー化、障害者スポーツ指導員を始めとしたスポーツボランティアの育成にも力を注いでまいります。また、ナショナルトレーニングセンターについては、西が丘の地に、新たな拡充棟整備に向け今年度、工事が開始される予定です。こうした環境も活用しながら、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向け区民の皆さまの気運醸成とともに北区の魅力発信にも取り組んでまいります。

また、4月には赤羽台に東洋大学の情報連携学部が開校します。東洋大学とは包括協定を締結しこれまでも様々な連携事業を展開してまいりましたが、3月のオープンニングイベントを皮切りに新たな分野での連携事業の実施に向け検討を進めています。赤羽が、学生の活気があふれる地域となり、北区の活性化にもつながるものと私も大きな期待を寄せています。

以上、北区政の現況と主要課題の一端を申し上げました。人口減少、超高齢社会の到来、公共施設の更新需要、防災対策など、行政需要は増大しております。本日、お示しをしました施策を着実に進めるためにも、引き続き、改革への歩みを止めることなく、「北区経営改革プラン2015」を絶え間なく推進し、更なる事務事業の見直し、歳出の抑制、内部努力の徹底や歳入確保などに努めてまいります。本日、ご説明させていただきました各分野での施策を私の手で着実に推し進めることで、区民の皆さまが、将来に夢と希望を持ち、幸せを実感できる北区をつくってまいりたいと考えています。

3月には区制70周年を迎えます。これまでの歩みを振り返りながら「北区に生まれて良かった。」、「北区に住んで良かった。」という実感と誇りを将来の世代、未来につないでいき、北区の将来像である、「ともにつくり未来につなぐ ときめきのまち 人と水とみどりの美しいふるさと北区」の実現に向け、全力で取り組んでまいります。

区民の皆さまには、引き続き、温かいご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げ、平成29年の年頭にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。