ここから本文です。

掲載開始日:2017年10月13日

最終更新日:2018年3月5日

アスリートを支える食事のプロに聞きました!

北区西が丘にある味の素ナショナルトレーニングセンターで、アスリートの食事を日々支えている管理栄養士さんがいます。そんなアスリートを支える食事のプロにジュニアアスリート向け、高齢者向けの食事に関するインタビューを行いました。

インタビュー1
高橋文子さんと小室沙紀さんからジュニアアスリート向けの食事について、お話しを伺いました。

1日で5つのカテゴリーを揃えるように心がける

Q ご飯を食べるとき「主食、主菜、副菜(汁物)、牛乳/乳製品・果物」を揃えた方が良いとわかっていても、揃えることが難しいときもあると思います。そんなときは、何をポイントに食事をとることがおすすめですか。
A 小室さん:
1食で5つのカテゴリーを揃えることは難しく、できない日もあると思いますので、まずは1日で揃えるように心がけることから始めましょう。それも難しいようであれば、2.3日など、期間を伸ばして、揃えることを心がけていくといいと思います。

Q 野菜が嫌いな子どももたくさんいると思いますが、食べてもらえるようにするためのポイントはありますか。
A 小室さん:
生野菜が食べられないということであれば、蒸したり焼いたりすると甘みがでて、少し食べやすくなります。あとは、まったく食べられない子には、刻んでハンバーグの中に入れるなど、野菜を見えないようにして野菜をとれるような工夫も1つの手です。
 高橋さん:小さいお子さんだと、味付けを変えるだけで食べられるようになることもあります。普通のほうれん草のお浸しは苦手だけれども、胡麻ドレッシングをかければ食べられると言って、食べてくれる子どもがいました。また、一緒にご飯を作ると子どもの気持ちも動くんですよね。自分で作ったものは、気持ちが入るようで、今まで嫌がっていたものでも食べたりすることがあります。

運動後の補食が効果的

Q 疲労を軽減するための食べ物はありますか。
A 小室さん:
この食べ物を食べれば疲労が軽減するということではないのですが、食べ物を食べるタイミングや食べ方によっては、疲労回復を早めることができます。運動直後に糖質やたんぱく質が含まれている食品を食べると疲労回復の効果があると言われています。
-おにぎりやあんぱんなどですか?
 小室さん:そのような補食に牛乳やヨーグルトなどを組み合わせるといいですね。

Q 試合でチカラを発揮できるように、食事の面からできるアドバイスはありますか。(特に前日から直前にかけて)
A 小室さん:試合の緊張などもあると思いますので、普段食べ慣れているものを食べたり、消化のいいものなどを、前日に食べることをおすすめします。あとは、エネルギー源となる糖質の多く含まれるものを食べるようにするといいと思います。試合の1時間から4時間前には、体重1kgあたりで1から4グラムの糖質を摂取すると効果的です。
 高橋さん:オレンジジュースなども糖質が入っているので、飲み物で摂取するのもいいと思います。糖質を多く含む飲み物と、糖質を多く含むカステラなどを組み合わせてもよいと思います。

朝食はしっかり食べるまたは飲む

Q 朝ごはんを食べるのが苦手な人に対するアドバイスは、ありますか。
A 小室さん:
朝が苦手な人は結構多いと思うので、無理して食べさせるのではなく、飲むことでもいいので、何か口にすることから始めるといいかなと思います。それで、慣れてきたら、固形のものを食べるようにしていくようにして、食べることを習慣づけるようにしていくといいと思います。
-朝ごはんを食べる時間も寝ていたいという人にアドバイスはありますか。
 高橋さん:小中学生くらいのデータだと、朝食を食べた子の方が食べていない子に比べて、テストや体力測定の数値がいいという結果が出ています。また、1食分を抜くことによって、エネルギーの摂取量が大幅に減ってしまうので、成長期の子どもたちには、朝食をしっかり食べてもらいたいです。

バランスよく食べることが大切

Q 冷蔵庫にあると役立つ食品はありますか。
A 小室さん:
ハムや卵、豆腐、納豆などは、何も調理せずに気楽に食べることができるので、そういった食品が冷蔵庫にあるといいと思います。あとは、牛乳やヨーグルト、オレンジジュースなどがあると主食、主菜、副菜などの5項目のうちの1つの乳製品や果物を手軽にとることができます。

Q 主菜と果物のバランスが難しく、どちらかに偏りがちになってしまうことも多いと思いますが、そういった方に対するアドバイスは、ありますか。
A 小室さん:
主菜だけを食べても、いい体をつくることはできません。1つだけでなく、バランスよく、まんべんなく食べるようにしましょう。
 高橋さん:体重を増やすことはいいパフォーマンスをするための手段であって、目的ではありません。  バランスよく食べる習慣が大切です。

水分をきちんと補給する

Q 体を大きくするためには、たくさん食べることが必要だと思いますが、あまりたくさん食べることができない人に対して、どのような工夫をすればいいですか。
A 小室さん:
1度にたくさんの量を食べることができない人には、食事をとる回数を増やすといいと思います。
 高橋さん:あとは、油をうまく使うことを心がけましょう。油は1gあたり9kcalあるので、良質な油を活用していくのがいいと思います。

Q 体重を維持するために、アドバイスをお願いします。(特に夏場は消費量が多いため、体重が減りやすい)
A 小室さん:消費もそうですけど、水分量も関係していることもあるので、水分をきちんと補給できているかチェックする必要があると思います。
-水分はどれくらい飲むのがいいんですか。
 小室さん:汗の量によって変わってくるので、人それぞれなのですが、「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」では、練習前と練習後の体重をチェックして、体重が練習前の体重と変わらないようにし、水分補給をすることをすすめています。
 高橋さん:体重の2%以上体重が減ってしまうと脱水の危険性が高まるので、2%以上減らないように水分をしっかりとるようにするといいと思います。あとは、水分のとりかたも大事で、20分におきにコップ1杯飲むと胃腸が消化・吸収しやすくなるのでおすすめです。また、最近おすすめしているのは、お風呂に入る前と入った後にコップ1杯の水を飲むとか、朝起きたらコップ1杯飲むとか、自分の中で水分をとる習慣をつけることです。
-水分は水ですか、それとも牛乳などの違う飲み物ですか。
 高橋さん:そのときの飲みやすさでいいと思います。体重を増やしたいときであれば、オレンジジュースでもいいと思うし、逆に増やしたくないときであれば、お水でもいいと思います。飲みやすいのであれば、お茶でもいいと思います。
 小室さん:ただ、運動中はスポーツドリンクの方が吸収力は高く、糖質も入っているので、疲労もとれやすくなります。

インタビュー2
続いて、高齢者向けの食事についてもインタビューしました。

いろいろな具材を組み合わせる

Q 骨粗しょう症を予防するためのアドバイスは、ありますか。
A 小室さん:
骨は、カルシウムの貯蔵庫となるので、カルシウムはしっかりとるように心がけましょう。ビタミンDやマグネシウムなどは、カルシウムの吸収を助けて調整もするので、うまく組み合わせるといいと思います。いろいろな具材を組み合わせるようにすることをおすすめします。

Q 特に高齢者の方は、手の込んだ料理を作らない傾向にあると思いますが、簡単に作れて、栄養をしっかりとるようにするためには、どうすればいいですか。
A 小室さん:
一品の中でいろいろな具材を組み合わせたり、凝った料理をしなくても、簡単な料理をいくつか作ることでも、たくさんの栄養素を取り入れることができると思います。
 高橋さん:栄養素でいうと、骨粗しょう症予防は、たんぱく質、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKになります。なので、難しく考えずにたんぱく質だったらお肉か魚は、毎食何がなんでも食べるようにする。ビタミンKで代表的なのが納豆なので、1日1回食べるようにする。カルシウムだったら、乳製品、あまり好みでない人もいるので、しらすや小魚、ししゃもなどを使ってもよいと思います。ビタミンDであれば、きのこ類や魚類を活用してください。今言ったような食材が1日1回、食卓に並んでいればOKという感じで、ハードルを高くしすぎず、長続きするように取り組んでみてください。
 小室さん:ししゃもは、やはりカルシウムが豊富ですね。
 高橋さん:しらす、サクラエビは使えると思います。なんでも入れられますよね。お味噌汁に入れるとダシがでておいしいですし、しらすだったら、冷凍のものをサラダにさっとふりかけるなどもできます。

甘いものなどは、量を調節する

Q 生活習慣病を食事から予防するために、できることはありますか。
A 小室さん:
まずは、食生活の乱れを直すことが重要だと思います。1日3食しっかりたべることを心がけていくことで予防につながっていきます。あとは、甘いお菓子、塩辛いもの、油っぽいものは、生活習慣病の高血圧や肥満といったリスクを高めるので、食べるのはほどほどにするのがおすすめです。
-どうしても甘いものが食べたいときに、変わりになるようなものはありますか。
 小室さん:絶対に食べてはいけないということではないので、量を調節するといいと思います。
 高橋さん:どのくらいの量にするかどうかは、こちらからアドバイスするのではなく、選択肢の中から相手に選んでもらう方がいいと思います。例えば、「甘いものを食べるのは、週何回にしますか?」など質問し、相手に決めてもらう方がモチベーションを保ちやすくなります。そこからだんだんと減らしていけばいいと思います。

Q 塩分のとりすぎが気になるときにできる食事の工夫はありますか。
A 小室さん:
味噌汁でもそうですが、ダシをうまく使うと味噌の量が少なくてもおいしいですし、酢の物とか香辛料、香りとかによっても塩分を減らしておいしく食べることができると思います。あとは、減塩醤油なども売っているので、そういうものもうまく使うといいと思います。
 高橋さん:塩分を一気に減らすのは、難しいと思いますので、塩分の摂取目安が7gだとしたら、最初は10gなどからだんだんと少なくしていく方が薄味にも慣れてきやすいと思います。

野菜は噛んで食べた方がいい

Q どうしても時間がないときなどは、野菜ジュースで栄養をとることもあると思うのですが、そういったものでもきちんとした栄養をとることはできますか。
A 高橋さん:
今、メーカーさんが頑張っていて、栄養価の高い野菜ジュースもあります。きちんと食べられないときに、代わりにまではならなくても補うものにはなると思います。ただ、ジュースは「飲む」ですけど、野菜は「噛む」じゃないですか…そこの違いは大きいと思います。「噛む」ことによって、虫歯の予防や老化の防止などのいろいろな効能があるので、「飲む」だけになってしまうと、もったいないと思います。なので、野菜をしっかり噛んで食べた方がいいですね。

Q どうしても料理を作るのがためらわれるときに、簡単に作れる料理はありますか。
A 高橋さん:
無理して作らなくてもいいと思いますよ。ご飯だけは自分で炊いて、おかずは、味噌汁はカップのものとか、魚を温めればすぐ食べられる商品とかを買ってもいいと思います。

欠食せず、楽しく食事をする

Q 高齢者向けに、新型栄養失調にならないようにするポイントはありますか。
A 高橋さん:
必ず食事をとるということですね。欠食をしないこと。新型栄養失調の中でも、低たんぱく質防止のため、お肉、おさかな、卵を毎食意識して食べましょう!

Q 長生きするために、食事で気をつけることはありますか。
A 高橋さん:
楽しく食べることですね。食事をすることに、興味のない人っているんですよね。でも、食べることは、生きることなので、生きるために同じことをするのであれば、楽しくあってほしい…それが、おいしいものを食べる、好きなものを食べることが楽しいとか、みんなでわいわい食事を囲んで食べることが楽しいとか、だれかのために料理やお菓子を作って食べてもらうのが楽しいとか、食事に対して何かしら楽しいって感じてくれるといいのかなと思います。生活習慣病予防とかそういうことに結び付けるということであれば、バランスよく食べることですね。もう、バランスよく食べるということに、かなうものはないです。最後に行き着くのは、そこなんですよね。バランスよく食べて、食べることに楽しみを持ってもらうと必然的に長く生きられるんじゃないかなと思います。

インタビュー3
今回は、インタビューのほかにも、#ときおぱでメニューを考え、実際に調理してみました。
メニューの内容は、下記をチェックしてください!!

 インタビュアー:平成29年度”#ときおぱ”メンバー 大河原はる香・大和田萌加・齋藤希子

※インタビューは、平成29年8月下旬に行いました。

#ときおぱ考案おすすめメニュー

 

メニュー

子どもから大人までおいしく食べられるメニューを考えました!育ち盛りの子どもや骨が弱くなりがちな高齢者に参考となる、カルシウムが摂れるメニューを紹介します。

メニューは英文でも紹介しています!

 

お問い合わせ

所属課室:地域振興部東京オリンピック・パラリンピック担当課 

東京都北区王子1-11-1(北とぴあ10階)

電話番号:03-5390-1136