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掲載開始日:2017年10月13日

最終更新日:2023年2月1日

上田春佳さんスペシャルインタビュー

北区スポーツ大使として活躍する上田春佳さんにインタビューしました!

 北区では、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて区内の大会開催気運を醸成しようと、北区と包括協定を結ぶ東京家政大学及び東洋大学の学生と平成29年度からオリンピック・パラリンピックに関する事業を一緒に企画・運営しています。(東京2020大会プロジェクトチーム「愛称:#ときおぱ」)

 今回は、北区スポーツ大使の素顔を多くの区民の方に知ってもらおうと、学生のメンバーが上田春佳さんに突撃インタビューしました!

上田春佳インタビュー1
2012年ロンドンオリンピックでは、女子400mメドレーリレーで銅メダルを獲得した上田春佳さん。
どんなお話しが聞けるのか楽しみです。

上田さんのパーソナルな部分について聞きました!

Q 好きな食べ物はなんですか?
A 枝豆が好きです。小学校のころから枝豆が大好きで、試合で頑張ったときのご褒美で枝豆をおねだりしていました。友達の家に行ったときには、自然と枝豆が出てくるくらい「上田春佳=枝豆」が浸透していました。枝豆のほかにはライチとお寿司も好きです。

Q 自分を動物に例えるとなんだと思いますか?
A
 イルカだと思います。飛び跳ねるように海を泳ぎ回るところが落ち着きがない私と似ています。

Q 尊敬している人は誰ですか?
A
 家族や目標に向かって頑張っている人です。

Q 座右の銘はありますか?
A
 「継続は力なり」です。

Q 北区でよく行くスポットはどこですか?
A ”西ヶ原みんなの公園”にはよく行って、家族でピクニックします。

お姉さんの影響で始めた水泳

Q 水泳を始めたきっかけはなんですか?
A
 2歳上の姉が水泳を習っていて見学についていったんですけど、私が走り回っているせいで母が姉の練習を見ることができなくて…。結局私も一緒に水泳を習わせちゃえという感じで始めたのがきっかけでした(笑)。

Q 競泳の魅力はなんですか?
A 種目が多いので、いろいろな楽しみ方があるところだと思います。種目ごとに特徴も違うので、見てて飽きません。

Q 水泳をやっていてよかったことはありますか?
A 全国の友達が増えたことですね。全国の子と戦うことで”勝ちたい”という勝負心が芽生えました。
-逆に、水泳をやってつらかったことはありますか?
 練習や怪我がつらいときもありましたが、怪我を乗り越えて強くなりたいという思いや周りの選手の支えもあったので、やめたいと思ったことはありませんでした。そもそも、私はプラス志向なので、あまりマイナス思考になったことがないんです。

Q 競泳をやるのが怖かったことはありますか?
A 山あり谷ありの水泳人生だったんですけど、やめたいと思ったことはないですね。でも、1回だけ、普段はいくら先生に「もう終わりにしていいよ」と言われても終わりにすることはなかったのに、練習を終わりにしてしまったときがあるんです。その時は本当につらくて、限界だったんだなと思います(笑)。

おもしろエピソードも…

Q 小学生のころは週にどのくらい練習していましたか?
A 月曜以外の週6日は練習があり、1日2時間くらいは泳いでました。ちなみに土曜、日曜は午前午後の2回練習でした。さらに、水泳の前には陸上トレーニングもやったりしていました。水曜日には、習字も習っていたんですけど、水曜日が厳しい先生で突然頭が痛くなることも…(笑)。そのときには、自分で休みの連絡をする必要があって、先生の練習の時間を見計らって、留守電に欠席連絡を入れていました。

Q 高校新記録を出したときに周りの友達の態度などは変わりましたか?
A
 変わらなかったです。高校の入学式は、ちょうどアテネオリンピックの選考会だったので、始まってから2、3週間学校に行けなかったんですよ。中高一貫校だったので、中学校からの友達は私のことをよく知っていて、問題なかったんですけど、高校から入ってきた周りの子からは、「上田春佳は背が小さくて病弱だから学校に来れないんだ」と思っていたみたいなんです。そんな中、いざ私が学校に来たらまったくの真逆だったから、そのときの印象が強かったらしいです(笑)。

Q 練習時のおもしろエピソードはありますか?
A
 いっぱいありますね(笑)。その中でも、高地練習の時、目標タイムが切れたら練習が終わりというものがあったんですけど、何本か泳いでもタイムを切れなかったんです。どうしてもタイムを切れなかったから、この1本を泳ぎ切ってダメだったら、泳ぎ切ったと同時にそのままプールから上がって、先生に土下座して練習を終わりにしてもらおうと思ったんです。案の定、タイムを切ることができなくて…泳ぎ切ってそのままプールサイドに上がって、「もう無理です。すいませんでした」って、土下座して謝りました。先生はそのとき怒る気満々だったみたいなんですけど、私が土下座して謝ったものだから、笑って怒れなかったみたいです(笑)。

上田春佳インタビュー2
和やかな雰囲気でインタビューは進みました。

ストレッチは今もやっている

Q 筋トレはどの部位を中心にやっていましたか?
A 腹筋をメインにやっていましたが、水泳は全身の筋肉が大事なので、全身をまんべんなく鍛えるようにしていました。ウォーキングなどの日常生活でも体の軸が大切なので、腹圧を鍛えることが大事だと思います。

Q ストレッチは今もやっていますか?
A
 今も時間があればやるようにしています。日々の積み重ねがとても大事で、だんだんと柔らかくなりますよ。逆にストレッチをやらないとすぐに硬くなってしまいますね。柔軟性があったほうが、怪我もしにくいです。

ルーティーンも大切

Q 試合前のゲン担ぎはありますか?
A 以前はコース台に行く前に音楽を聴いていましたが、音楽がなくてもテンションが上がることに気づいたので、その後は体をたたいて自らを奮い立たせていました。ちなみにその時に聴いていた曲は、絢香さんの”三日月”でした。

Q 勝負飯はありますか?
A
 遠征に行く前には、必ず”かつ丼ざるそばセット”を食べます!周りの選手からは、「よくそんなに重たいもの食べられるね」って言われます(笑)。
-大会に向けた食事の調整はしていましたか?
 太りやすい体質なので、運動量を見ながら調整していました。試合直前の調整時期には、あまり食べないようにするなど。

Q 毎日のルーティーンはありますか?
A しっかり朝ごはんを食べることですかね。現役時代は朝練もありましたが、朝食は必ず食べていました。周りからも「すごいね」って言われるんですけど…私、朝起きてすぐに朝ごはん食べて、すぐに家を出ることができるんです。しっかり食べないと練習のときにご飯のことしか考えられなくなっちゃうんですよね(笑)。

泳ぐときは落ち着いて

Q 泳いでいるときは何を考えていますか?
A 「落ち着いて、落ち着いて」と言い聞かせています。最初から飛ばすと後で苦しくなっちゃうので。
-泳ぐ距離が長いと何回ターンしたかわからなくならないんですか?
 短水路だとわからなくなるときがあります。そんなときは、泳ぎながら電光掲示板を見て確認してます。
-泳いでいるときは、他の選手も見えていますか?
 私は1~8レーンまで全部見えています。もちろん、1回で全部見れるわけではなくて、息継ぎのときとターンのときに見ています。

Q レースのスタートは緊張しますか?
A フライングしてしまわないか緊張します。私はスタートが遅いので、周りからも「絶対フライングにならないから大丈夫」って言われてたんですけど、やっぱりスタートは緊張しますね。

ロンドンオリンピック出場

Q オリンピック出場が決まった時の心境はどんな気持ちでしたか?
A ホッとした気持ちと「夢が叶った」という気持ちでしたね。リレーだったので、派遣標準記録を切れているかすぐ計算できなくて、どきどきしていました。

Q ロンドンオリンピックでのエピソードはありますか?
A メドレーリレー決勝の時、実力的にロシア、中国と銅メダルを争っていました。私の右側レーンにはロシア、左側レーンに中国がいたんです。ロシアとほぼ同時にスタートし、ターンの時にはロシアに勝っててうれしかったんですけど、ターン後に中国がすごい勢いで追い上げてきて、すごく焦ったことを覚えています。でも、そのときは珍しく先生の言うとおりに泳げていたから、ターンした後ラストスパートをかけることができて、3位になれることができました。先生の言うとおりに泳げたのは、水泳人生で3回だけだったので、それがオリンピックにあたってよかったと思いますね。
-リレーの楽しさを教えてください。
 4人全員の力で戦うので、プレッシャー等も軽減されるんです。試合前に日本語で話せる相手がいるのも安心しますね。

Q 現役の時のリフレッシュ方法はありますか?
A
 オフのときなどにボウリングをやっていました。ちなみにベストスコアは217で、マイボールを持つくらい本格的でしたが、今はどこかいってしまいました(笑)。

東京2020オリンピック・パラリンピック

Q オリンピックが東京で開かれることについてどう思いますか?
A
 あと4年早かったら出たかったですね。母国開催は全然違いますよ。大会中に自国選手が出てくると私までも鳥肌が立つくらいの声援があるので、東京で私も体験してみたかったですね。チケットが手に入れば見に行きたいんですけどね…難しいですよね。

Q これからの目標を教えてください。
A 東京2020大会に少しでも携わりたいと思っています。北区でスポーツ大使をやっているので、競泳以外の種目も区民に紹介していきたいと思っています。

上田春佳インタビュー3
2016年には、1児の母となった上田さん、ご家族のことも伺いました。

お子さんにも水泳を習わせたい

Q お子さんができて変わったことはありますか?
A
 両家の親が子どもの面倒を一緒に見てくれています。みんなで子育てをしているからと私自身も楽しく子育てができています。
-お子さんにも水泳をやらせたいですか?
 夫の実家がスイミングスクール経営しているので、そこでちゃぷちゃぷ遊ばせています。将来的には4泳法を泳げるようにと思っているので、いつかは習わせたいですね。

上田さんの子ども時代

Q 小学校時代の思い出はありますか?
A 岩井学園に行ったことがすごく印象に残っています。みんなでそういうところに行くのが楽しかったから印象に残っているんだと思います。あとは、小学6年生の運動会で鼓笛隊の指揮をやったことも思い出に残っていますね。

Q 子どものときから背は大きかったんですか?
A
 幼稚園のころからずば抜けて大きかったですね。両親も大きいほうで、私自身もよく食べて、よく寝る子でしたね。

Q 競泳のほかに得意なスポーツはありますか?
A
 基本的に体を動かすことは好きだったんですけど、球技はあまり得意ではないです。でも、全然できないのに、人数が足りないからといって、小学校4年~6年までソフトボールをやっていました。みんなでやるのか楽しかったんですよ。ソフトボールのほかにも、児童館の新体操クラブに入って、発表会にも出たことがあります。

上田さんのプライベート

Q 北区のどんなところに魅力を感じますか?
A
 公園が多いところだと思います。滝野川公園や飛鳥山公園ではよく遊んだので、そこに行くとホッとします。今でもその周辺を歩いたりしていますね。

Q 一日の中で一番幸せを感じるときはどんなときですか?
A 昼寝をしているときが幸せです。現役時代は昼寝が必ずあったので、引退後は生活リズムの変化に苦労しました。今は育児休暇中のため、昼寝できますが職場復帰したときが恐ろしいです…(笑)。

子どもたちに向けて

Q 夢を叶えるために必要なことはなんだと思いますか?
A あきらめない事です。実は小学校の文集に「目標はオリンピックに出場すること」ときちんと書いていました。

Q 子どもたちに向けてメッセージをお願いします。
A 今やっていることを精一杯全力でやってください。特に小学生だと何でもできる年代だと思います。私も外で全力で遊んだあとにプールも全力で泳ぐ日々を送っていました。北区の陸上大会でも優勝した経験があるくらい、体を動かすことが好きでした。

上田春佳インタビュー4
たくさんのお話を伺い、上田さんのこともよく知ることができました。
これからも北区スポーツ大使として、よろしくお願いします。

 

インタビュアー:平成29年度”#ときおぱ” 小野華世・大和田萌加

※インタビューは、平成29年8月中旬に行いました。

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所属課室:地域振興部スポーツ推進課トップアスリートのまち推進係

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