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掲載開始日:2022年11月21日
最終更新日:2022年11月21日
11月17日(木曜日)、装束稲荷(王子2-30-13)や王子稲荷神社(岸町1-12-26)など「王子狐の行列」のルートを巡る校外学習が行われ、王子小学校(校長:戸倉務)の4年生児童114名が参加した。
「王子狐の行列」は、歌川広重の浮世絵に描かれた世界観を再現し、子どもたちに地元の歴史や文化を伝え、街を盛り上げようと地域住民により平成5年から始まったイベント。新型コロナウイルス感染症の影響により3年連続で中止となっている今年は30周年を迎えた年。同校4学年における地域の伝統についての学習の一環で、北区観光ボランティアガイドの解説とともに今回の校外学習が行われた。
約1時間かけて同ガイドとルートを巡った児童は、ふるさとの歴史と伝統文化について体験的に学び理解を深める時間を過ごした。
(写真:王子稲荷神社にてガイドの話を真剣に聞く児童)
初代歌川広重の名所江戸百景「王子装束ゑの木 大晦日の狐火」の浮世絵では、その昔、王子には毎年大晦日の晩になると、各地のお稲荷さまの使者とされる狐が、狐火を灯して一本の大きな榎の下に集まり(現・装束稲荷)、装束を整え関東総司である王子稲荷神社に参詣したという言い伝えを描いている。近隣農家の人々は、その狐火の数によって翌年の田畑の豊凶を占ったという。
「王子狐の行列」は、この浮世絵と昔語りを現代に再現し、長年に渡り王子が育んできたふるさとの歴史と文化を子どもたちに伝え、街おこしに繋げようと地域の人たちの手によって平成5年から始まり、今年で30周年目。平成11年度には「地域づくり団体自治大臣表彰」を受賞した。毎年大晦日から元日にかけての深夜に、狐の化粧をし、また狐面をかぶった裃(かみしも)姿の人々が、装束稲荷から王子稲荷神社までの道のりをお囃子と一緒に練り歩く光景が繰り広げられるが、新型コロナウイルス感染症の影響で3年連続開催を中止している。王子小学校4年生における地域の伝統についての学習の一環で、地域の人々と一緒に伝統文化を学ぶ今回の校外学習が決定した。
この日参加した114名の児童は、黒と黄色の法被に身を包み、3組に分かれ列をなした。同校を出発した児童は装束稲荷や、王子稲荷神社から迎えに来た狐との「提灯交換の儀」が行われるという権現坂、王子稲荷神社を北区観光ボランティアガイド、狐の行列の会の人たちとともに巡った。王子稲荷神社境内の狐像はそれぞれ表情が異なるという話をガイドから聞いた児童は、熱心にそれぞれの像を見比べていた様子であった。ガイドの解説を聞きながら伝承の地を巡り、ときには浮世絵の風景と見比べながら体験的に学ぶ時間を過ごした。
狐のお面をつけ、提灯を持って先頭を歩いた児童は、「王子稲荷神社にあと10回くらい行きたいし、お母さんを今度案内して今日聞いた話を伝えたい」と話してくれた。また、同ガイドの方は「神社は身近で、訪れたことはあるけれど、王子狐の行列の話を知らない子も多い。児童はよく話を聞いてくれたし、運動会で踊っているという狐踊りの意味がわかったと言う子もいた。古くからある行事として面白いということをわかってもらえたのではないか」と語った。
(令和4年11月21日プレスリリース)
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王子狐の行列の会
電話番号:03-3943-1790(王子狐の行列について)