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掲載開始日:2018年1月4日

最終更新日:2018年1月4日

平成30年 区長年頭の挨拶

賀詞交換1新年あけましておめでとうございます。

平成30年のすがすがしい新春を迎えるにあたり、区内各界を代表される皆さま方と、このように一堂に会し、和やかに交歓できますことは、私にとりましてこの上ない喜びであります。

皆さまには、北区政に対しまして、日頃から、温かいご支援とご協力をいただいておりますことを、心から厚くお礼申し上げます。

さて昨年を振り返ってみますと、九州北部豪雨や台風による被害など災害の多い一年でした。

また、北朝鮮による弾道ミサイルの発射や、世界各地でテロが起こるなど、危機管理対策についても改めて考えさせられる一年でした。

区長として区民の皆さまの安全・安心な暮らしを守るため、引き続き全力で取り組んでまいります。

一方で、明るい話題も多い年でありました。

スポーツ界では、日本学生陸上競技対校選手権の男子100メートル決勝で、北区と関係の深い東洋大学の桐生祥秀選手が、日本人初となる9秒台を公式に記録し、優勝しました。

また将棋界では、最年少棋士である中学生の藤井聡太四段が、前人未到の公式戦29連勝を達成するなど夢や希望、そして未来への期待につながる若い世代の素晴らしい活躍が見られました。

また、秋篠宮眞子様のご婚約内定や上野動物園で誕生したパンダ、「シャンシャン」の成長など心温まる出来事もありました。

北区に関しましては、民間の調査による「本当に住みやすい街大賞2017」において、赤羽が3位に、浮間舟渡が10位にランクインするなど、赤羽をはじめ北区の様々な魅力がメディア等で話題となることが多く、嬉しく感じました。

さて、北区の昨年の出来事を振り返ってみますと、3月には、北区制70周年を迎え、多くの方のご参加のもと、記念式典を開催し、長年にわたり、区の自治振興の発展及び区民福祉の向上に、特に顕著な功績のあった方々への表彰のほか、変わりゆくふるさと北区の風景を振り返るDVDを製作し、披露いたしました。

また、北区の友好都市である、山形県酒田市、群馬県甘楽町、中之条町と、交流協定締結から二十年を迎えたことを機に、記念の式典を実施するとともに、覚書も取り交わすことができました。

引き続き、四都市での連携を深め、相互交流のより一層の推進に取り組んでまいります。

こうしたこれまでの北区の歩みを振り返る節目を迎えた年でもありましたが、新たなスタートに立ち、新たな一歩を踏み出す出来事もありました。

新庁舎建設及び王子駅周辺のまちづくりのための用地取得に向け、国立印刷局王子工場用地の一部取得に関する協定書を締結するとともに、王子駅周辺グランドデザインも策定し、本格化するまちづくりに向けて確かな道筋をつけるべく、大きな一歩を踏み出しました。

また、1月には、「東京北区観光協会」の設立、待望の赤羽体育館のオープン、4月には、赤羽台の地に新たなランドマークともなる東洋大学の情報連携学部が開学しました。

さらには、アメリカ合衆国ウォルナットクリーク市との間で、グローバル時代にふさわしい、友好親善を目的とした、パートナーシティ協定を締結しました。

さて、次に、日本経済に目を転じますと、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待されていますが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動が懸念されています。

一方、北区では、緩やかな景気回復や人口増加により特別区民税は、五年連続で増加しており計画的かつ着実な基金への積み立てなどにより、計画事業等の実現に向けた財政対応力は高まっています。

しかしながら、国による地方消費税の配分割合の見直しなどの影響により、特別区交付金への依存度の高い北区にとって今後も予断を許さない財政状況が予測されます。

引き続き、事業の優先順位を定めた上で、重点的・効率的な財源配分に努め、堅実な財政運営のもと、夢のある未来に希望の持てる区政を運営することが重要と考えています。

区民の皆さまには、ご理解とご協力をお願いいたします。

賀詞交換2

それでは、これより年頭にあたりましての北区政の現況と今年の主要課題の一端をご説明申し上げます。

昨年3月に、平成29年度を初年度とする「北区中期計画」を公表しました。

今回の中期計画では、「区民とともに」の基本姿勢のもと「北区基本計画2015」の着実な推進を基本とし、最重要課題である「地域のきずなづくり」と「子育てファミリー層・若年層の定住化」と、喫緊の課題である三つの優先課題に取り組むとともに、「まちづくりの一層の推進」や「東京オリンピック・パラリンピックを見据えた魅力発信」にも積極的に対応することとし、取り組みを進めております。

まず、「地震・水害に強い安全・安心なまちづくりに全力」についてです。

首都直下地震や水害等に対し、区民一人ひとりの命を守るため、熊本地震など過去の災害の教訓等をふまえて、改定する「北区地域防災計画」に基づき、備蓄物資の拡充をはじめ、自主防災組織への支援や避難所機能の強化などを行ってまいります。

また、がけ、擁壁等の現況調査に着手するなど土砂災害から区民を守る取組をさらに推進します。

次に、「長生きするなら北区が一番」の実現についてです。

健康寿命の延伸を図るため、若い世代に向けた健康づくりの一つとしてウォーキングポイント事業を開始します。

また、引き続き、元気な高齢者がいきいきと活躍できる環境整備のため、関係機関と連携し、就労支援やいきがいづくりに取り組みます。

また、「北区地域包括ケア推進計画」に基づき、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、その有する能力に応じて自立した生活を営むことができるよう在宅介護・医療連携の推進、認知症施策、生活支援・介護予防サービスの基盤整備などの更なる充実を図ってまいります。

高齢者の方の住まい確保については、仮称区営シルバーピア滝野川三丁目の建設工事に着手します。

次に、「子育てするなら北区が一番」をより確かなものにすることについてです。

保育所待機児童解消に向け、認可保育所等の誘致により、4月には、約800人の定員拡大を図ってまいります。

学童クラブについてもニーズの高まりに対応するとともに放課後子ども総合プランを二十九校で実施してまいります。

学校の改築では、なでしこ小学校が完成し、4月には新築校舎に移転します。

また、北区初の「施設一体型小中一貫校」の建設に向け、基本設計などに着手してまいります。

あわせて、田端中学校・稲付中学校・浮間中学校の建設を進めるとともに、王子第一小学校の改築工事に着手します。

さらに、学力パワーアップ事業や学校図書館司書の配置を拡充してまいります。

このように、妊娠期、乳幼児期、そして学齢期、それぞれの段階における支援を、切れ目なく、かつ充実することで「子育てするなら北区が一番」、「教育先進都市・北区」を区民の皆さまに実感していただき、「北区に住んで良かった。」「北区に住み続けたい」と思っていただく方を確実に増やすことを目指してまいります。

また、北区に婚姻届を提出された方に、「ご結婚おめでとうございます」というメッセージをお伝えする撮影スポットを庁舎内に設置してまいります。

次に、産業についてです。

産業を取り巻く環境の変化や課題に対応するため現在「北区産業活性化ビジョン」を改定しております。

このビジョン案の中では、北区産業の将来像を「多様な人材が集まり育ち、さらなる価値と魅力を創出する挑戦都市東京北区」と掲げ、区民・事業者・区がつながり、活力ある産業の形成を目指してまいる考えです。

あわせて、行動計画も策定し、商店街の核となる個店や人材の育成支援など商店街の新たな魅力づくりや東洋大学との産学連携によるセミナーの開催、起業家支援などに重点を置き、計画的に施策を推進してまいります。

また、観光施策につきましては、「東京北区観光協会」と連携し、情報発信や魅力ある資源を活用した観光振興を充実させてまいります。

まちづくりでは、本格化するまちづくりの推進に向け公園、道路、橋梁など区民の皆さまの生活に直結する施設の整備に積極的に取り組んでまいります。

「駅周辺のまちづくり」では、王子駅周辺においては、「王子駅周辺まちづくり整備計画」を、平成三十一年度末を目途に策定するとともに、新庁舎建設に向けて、「新庁舎建設基本計画」の策定に着手してまいります。

十条駅周辺においては、十条駅西口の再開発事業の更なる推進のため、再開発組合への支援を行うとともに、十条駅付近連続立体交差事業に、東京都と連携・協力して、事業を着実に進めてまいります。

板橋駅周辺では、滝野川桜通りの整備とともに駅前広場整備に着手し、バリアフリー化を推進します。

さらに、公園については、「名主の滝公園再生整備」など、公園の特性を活かしながら、魅力ある公園づくりに取り組んでまいります。

また、赤羽駅東口と王子駅前の公衆トイレを改修し、誰もが入りやすい魅力ある空間にしてまいります。

スポーツの分野では、「トップアスリートのまち・北区」の実現に向けまた、大会後のレガシーを見据えて、ハード・ソフトの両面から取り組みを進めてまいります。

ハード面では、ルート2020トレセン通りのデコレーション整備やスポーツ施設のバリアフリー化、また、中央公園や、稲付西山公園などのトイレを改修するなど、環境整備に取り組みます。
ソフト面では、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けた気運醸成とともに、大会後もスポーツが、日常生活にとけ込むようなイベントの開催などに取り組みますので、多くの皆さまにご参加いただければと思います。

また、北区文化振興財団が三十周年を迎えることを機に、国際音楽祭や田端文士村記念館の事業の充実や若手芸術家の育成など、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向け、文化施策にも力を入れ、北区の魅力を内外に積極的に発信してまいります。

本日ご説明した取り組みも含め、あらゆる施策を横断的かつ統一性を持ち、着実に、推し進めることで、最重要課題である「地域のきずなづくり」「子育てファミリー層・若年層の定住化」を実現し、区民の皆さまが、将来に夢と希望を持ち、幸せを実感できる北区をつくってまいりたいと考えています。

本日、お示しをしました施策を着実に進めるためにも、引き続き、改革への歩みを止めることなく、「北区経営改革プラン2015」を絶え間なく推進し、更なる事務事業の見直し、外部化の推進、歳出の抑制、内部努力の徹底や歳入確保などに努め、安定的で持続可能な区政運営を目指してまいります。

今年は、新元号の発表も予定されるなど新しいことが動き出す、始まる新たな時代の幕開けを予感させる未来につながる年になりそうです。

また、北区の人口も着実に増加し、35万人に届こうとしています。

私は、この間「区民とともに」を基本姿勢に直面する課題はもとより、北区の将来を見据えながら区政に真正面から取り組んでまいりました。

この姿勢を貫き、今をしっかり見つめ、明るい未来を描きながら職員と一丸となり、力強く区政を推進し「人生百年時代」と言われるこの時代にふさわしい「人が輝く、まちが輝く、未来が輝く」魅力あふれる北区づくり、そして北区の将来像である、「ともにつくり未来につなぐときめきのまち人と水とみどりの美しいふるさと北区」の実現に向け、全力で取り組んでまいります。

区民の皆さまには、引き続き、温かいご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げ、平成三十年の年頭にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。