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掲載開始日:2019年1月4日

最終更新日:2019年1月4日

平成31年 区長年頭の挨拶

190104-1新年あけましておめでとうございます。

平成31年のすがすがしい新春を迎えるにあたり、区内各界を代表される皆さま方と、このように一堂に会し、和やかに交歓できますことは、私にとりましてこの上ない喜びであります。
皆さまには、北区政に対しまして、日頃から、温かいご支援とご協力をいただいておりますことを、心から厚くお礼申し上げます。

さて昨年を振り返ってみますと、日本にとって明るい話題も多い年でありました。京都大学特別教授の本庶佑さんが、ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

スポーツの分野では、2月から開催された平昌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会において日本人選手が活躍し、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会にも期待が膨らむ結果となりました。

卓球では、エリートアカデミー所属の張本智和選手が、ワールドツアーグランドファイナルで優勝しました。さらに、アメリカ、メジャーリーグでは、年間最優秀新人選手賞に大谷翔平選手が選ばれるなど若い選手の活躍には、目を見張るものがありました。

このように、日本人の研究成果や技術、また、日本選手の世界を舞台にした活躍は、日本人として誇りに思うとともに、未来を担う子ども達にとっては、将来の夢や希望に向かう大きな原動力となる出来事でもあると思います。

一方で、大阪北部地震や北海道胆振東部地震、西日本豪雨や度重なる台風の上陸など災害の多い一年でもありました。私たちは、自然災害を避けることはできませんが、過去の災害の教訓から学び、日頃の備えなど対策を講じることにより、被害を最小限にする、減災に取り組むことはできます。
私は、区長として区民の皆さまの安全・安心な暮らしを守るため、引き続き、防災・減災対策、機動的な危機管理体制の整備に努めてまいります。


さて、北区の昨年の出来事を振り返ってみますと、人口は、ここ数年の増加を受け、5月には、25年ぶりに35万人を超えました。また、民間が行った「本当に住みやすい街大賞2019」において、赤羽が一昨年の第3位から順位を上げ、第1位になりました。「子育てファミリー層・若年層の定住化」を最重要課題に掲げる北区にとって大変喜ばしいことと感じています。

また、「トップアスリートのまち・北区」の実現に向けた取組みでは、東京2020大会2年前を記念したイベントを開催するとともに、ハンガリー国フェンシング連盟及び柔道協会と事前キャンプの実施に関する覚書を締結しました。
東京2020大会に向けた気運醸成にもつながる事前キャンプ事業に、私も大変期待しており、区民の皆さまとともに盛り上げたいと思っています。

もう一つ嬉しいニュースがありました。北区の名誉区民である奥山峰石さんが東京都の名誉都民に選定されたことです。
今後、北区の文化・芸術の振興のために、一層のご活躍を期待するとともに、記念事業などの開催を考えてまいります。

 

さて、次に、日本経済に目を転じますと、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されていますが、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響等が懸念されています。

一方、北区では、緩やかな景気回復や人口増加により特別区民税は、6年連続で増加しており計画的かつ着実な基金への積み立てなどにより、計画事業等の実現に向けた財政対応力は高まっています。しかしながら、国による不合理な税制改正等の影響により、特別区から貴重な財源が奪われることになり、今後の区を取り巻く財政環境は、予断を許さない状況が予測されます。
引き続き、事業の優先順位を定めた上で、重点的・効率的に財源を配分するとともに、堅実な行財政運営に努めてまいりますので、区民の皆さまには、ご理解とご協力をお願いいたします。

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それでは、これより年頭にあたりまして北区政の現況と今年の主要課題の一端をご説明申し上げます。

北区の人口は、平成25年から一貫して増加しており、中でも、年少人口や外国人人口の増加は、顕著であり、高齢化率についても、23区中第1位が続いています。
こうした中、年少人口や外国人人口の増加への適切な対応をはじめ、人生百年時代を見据えた健康長寿社会の実現や、子育て支援、教育環境の更なる充実、多様性社会の推進、近年の大規模災害を踏まえた、防災・減災対策の強化、まちの賑わい、利便性の向上も含めたまちづくりの一層の推進など、直面する各分野の課題に対し、引き続き積極的に取組みを進めてまいります。

さらに、平成31年は、改元の年であり、新たな時代の幕開けともなる年です。
こうした記念すべき年に、北区においても、区民の皆さまが、ゆとりや豊かさを感じ、未来に向け夢や希望がつながる施策を推進するため新たな「北区基本計画」の策定も進めてまいります。
そして、喫緊の課題への対応はもとより、少子高齢化や将来予測される人口減少への対応など中長期的な課題解決にも全力で取り組み、未来を担う子ども達に、夢と希望のたすきをつなげるよう区政の推進に努めてまいります。

 

はじめに、「地震・水害に強い安全・安心なまちづくりに全力」についてです。

近年多発する集中豪雨等を踏まえ、大規模水害発生時を想定した避難計画などについて検討に着手します。また、「北区地域防災計画」に基づき、災害医療体制の充実や過去の災害の教訓をふまえ備蓄物資の効率的な搬出・供給体制を構築してまいります。また、災害時の物資輸送拠点となる公共防災船着場を整備し、災害発生後の迅速な復旧活動等の環境整備に取り組みます。

次に、「長生きするなら北区が一番」の実現についてです。

「人生百年時代」と言われるこの時代にふさわしい高齢者の就労や、社会参加につながるいきがいを創出する仕組みづくりを、健康増進センターの役割の再構築とあわせて進めてまいります。
さらに、健康寿命の延伸を図るため、若い世代の方々を含め、自らの健康に関心をもっていただくため、ウォーキングポイント事業を本格実施するとともに若年健診を継続して実施いたします。
また、誰もが健やかに、互いに支え合いながら住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、引き続き、地域包括ケアシステムの構築に取り組んでまいります。
 
次に、「子育てするなら北区が一番」をより確かなものにすることについてです。

働きながら安心して子育てのできる環境づくりの充実に向け、認可保育所等の誘致により、保育所の定員拡大を図るとともに、保育サービスの質の向上にも努めてまいります。学童クラブについてもニーズの高まりに適切に対応するため定員拡大を図るとともに、放課後子ども総合プランを改築中の王子第一小学校を除く全校で実施いたします。
また、児童虐待防止に向けた取組みを強化するため、子ども家庭支援センターの機能を拡充するほか、児童相談所の設置に向けて基本構想の検討をはじめ、着実に準備を進めてまいります。

学校の改築では、稲付中学校、田端中学校が完成し、4月には新築校舎に移転します。また、浮間中学校、王子第一小学校の建設を進めるとともに、神谷中サブファミリー施設一体型小中一貫校の建設に向け、2年目の設計に入ります。あわせて西が丘小学校の改築の設計と飛鳥中学校のリノベーションの設計に着手いたします。
さらに、平成31年度から2か年で、小中学校全校の体育館に空調機を設置し、教育環境の向上に努めてまいります。

加えて、確かな学力の定着に向け、学力パワーアップ事業や本気でチャレンジ教室などの充実を図ってまいります。
妊娠期から、乳幼児期、そして学齢期まで、切れ目のない支援を充実し、「子育てするなら北区が一番」、「教育先進都市・北区」を区民の皆さまに実感していただきたいと思っています。

次に、産業についてです。

「北区産業活性化ビジョン2018」に基づき、「商業・サービス業」、「工業・ものづくり」、「創業」の各分野の施策を積極的に推進いたします。
魅力ある個店づくりへの支援、産学連携研究開発をはじめとしたものづくりイノベーションへの支援、さらには、コミュニティビジネスの支援にも、力を入れ、北区産業の更なる発展を目指してまいります。また、東京北区観光協会と連携して、北区ならではの魅力発信を行ってまいります。

まちづくりでは、本格化するまちづくりを一層推進し、区民の皆さまにとって安全、安心、そして快適な空間の創出に向け精力的に取り組んでまいります。
「駅周辺のまちづくり」では、王子駅周辺においては、新庁舎の建設予定が、当初より、5年程度の延伸となり概ね15年後になる見込みです。この期間を有効に活用し、快適で機能性の高い新庁舎建設に向けた検討を深めてまいります。
また、王子駅周辺のまちづくりについても、関係事業者との協議や、区民の皆さまのご意見にも耳を傾け、百年先を見据えた「東京の北の交流拠点 水と緑豊かな王子」の実現に向け、着実に歩みを進めてまいります。
十条駅周辺においては、東京都と連携・協力して、十条駅西口の再開発事業や十条駅付近連続立体交差事業を着実に進めてまいります。

また、快適な移動の確保やまちの回遊性の向上を図るため、コミュニティバスなど地域公共交通の充実について引き続き、検討に取り組みます。
さらに、公園については、田端新町公園再生整備に取り組むほか、公園を、「くらしを豊かにするまちの魅力要素の一つ」として捉え、魅力ある公園づくりを進めてまいります。
あわせて、荒川緑地など水辺空間を有効活用した、スポーツ広場や公園の整備に向け計画策定に着手いたします。
 
スポーツの分野では、東京2020大会開催が、いよいよ1年後に迫ってまいりました。

こうした機を捉え、区民の皆さまの気運醸成や、大会後のレガシ―創出にもつながる取組みを通し「トップアスリートのまち・北区」を更に推進いたします。

まず、ルート2020トレセン通りにフラッグを設置するとともに、地域情報アプリの運用を開始し、トレセン通りを中心とした地域の魅力や大会に関連する情報を発信します。
あわせて、ルート2020トレセン通りをコースとして活用した桜ウォークの実施や、事前キャンプの誘致国であるハンガリー国に関連したイベントも開催いたします。
また、7月には、国内唯一の施設であるナショナルトレーニングセンターの拡充棟が、オープンします。北区といたしましては、パラアスリート等が安心・快適に利用できるよう、同センター周辺のバリアフリー化に国や東京都をはじめ関係機関と連携して取り組んでまいります。

文化の分野では、(仮称)芥川龍之介記念館の建設に向け記念館基本計画の検討や関連資料の収集などの準備に着手いたします。

以上、北区政の現況と主要課題の一端を申し上げてまいりましたが、本日、お示ししました施策の着実な推進のためにも、引き続き、「北区経営改革プラン2015」を絶え間なく推進し、更なる内部努力の徹底や歳入確保などに努め、安定的で持続可能な区政運営を目指してまいります。

 

 

区長に就任してから4期、16年、区民や区議会、また、本日お越しいただいております多くの関係者の皆さまのご協力をいただきながら、区政の課題に全力で取り組んでまいりました。この間、一定の成果を上げることができた反面、解決すべき課題や、新たに取り組まなければならない課題も見えてきているところであります。

 

私は、これまで築いてきた基盤を礎に、今後も、各分野の施策を私の手で、着実に推進し、最重要課題である「地域のきずなづくり」、「子育てファミリー層・若年層の定住化」を実現し誰もが、幸せを実感し、いきいきと暮らせる、魅力あふれる「ふるさと北区」をつくってまいりたいと考えております。

私は、平成15年の初登庁の日、区民の方から、「誰よりも早く登庁し、職員の手本となり、区民のことを一番に考えてほしい。」とのお言葉を頂きました。その言葉を肝に銘じ、16年間そのお約束を実践してまいりました。
これからも「区民とともに」の基本姿勢を貫き、職員と一丸となり、北区の将来像である、「ともにつくり未来につなぐ ときめきのまち 人と水とみどりの美しいふるさと北区」の実現に向け、全力で取り組んでまいります。

区民の皆さまには、引き続き、温かいご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げ、平成31年の年頭にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。