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人間国宝・北区名誉区民 奥山 峰石

鍛金 金属の凛とした形と輝きの中に、自然の美を映す

主な略歴紹介

1937年 山形県新庄市に生まれる
1951年 最上地区科学研究発表 優秀賞受賞
1952年 中学校卒業後に上京
杉林美術銀器製作所に就職
鍛金家・笠原宗峰師に師事
1964年 独立しトロフィーなどを製作
1977年 鍛金家・田中光輝師に師事
作家として日本伝統工芸展出品
1984年 伝統工芸日本金工展文化庁長官賞受賞
日本工芸会正会員認定
1990年 第39回北区美術展 北区美術会賞受賞
1991年 第15回全国伝統的工芸品展 会長賞受賞
1995年 重要無形文化財保持者(人間国宝)認定
東京都北区名誉区民選定
1997年 紫綬褒章受章
1999年 山形県新庄市名誉市民選定
2001年 北区東十条区民センター壁画制作
2007年 旭日小綬章受章
2018年 東京都名誉都民選定

作品について

鍛金とは、金属の一枚板を金槌で打ちながら器物を成形する、金属工芸の技法の一つです。彫金や鋳金といった技法とは異なり、比較的軽い伸びやかな感じに仕上がるのが特徴です。

成形した器物に文様を表現する技法として私が得意とするのは、「打込象嵌(うちこみぞうがん)」と「切嵌象嵌(きりばめぞうがん)」です。
打込象嵌は、器物本体とは別の金属を糸鋸で切り抜いて文様を作り、それを木槌と金槌で叩いて本体に埋め込む技法です。この技法は桜や藤、樹木などの細かい文様に向いています。
切嵌象嵌は、器物本体の文様部分を切り抜き、そこに別の金属で作った同様の文様を嵌め込む技法です。器物の内側にも、外側と同形の文様が表れます。この技法は椿や牡丹など、大きな文様に向いています。

作品のモチーフは花や樹木など自然のものが多いのですが、創作のテーマを探し求めていた時に、旅先の山間にあった三本の杉の木に心惹かれたことがきっかけです。以来、日常の何気ない風景にも目を止め、よく観察し、自分なりのイメージを膨らませることを大切にしながら、創作に励んでいます。

作品名

はぎあわせおうどうはち

接合せ黄銅鉢

制作年:1988年 材質:真鍮/銀

作品名

きりばめぞうがんかき「はるかすみ」

切嵌象嵌花器「春霞」

制作年:1991年 材質:銀/銅/赤銅/四分一

作品名

うちこみぞうがんかき「しゅんたい2」

打込象嵌花器「春待-2」

制作年:1994年 材質:銀/赤銅/四分一

作品名

しほうはぎあわせかき

四方接合せ花器

制作年:1985年 材質:銀/赤銅

作品名

きりばめぞうがんかき

切嵌象嵌花器

制作年:1990年 材質:銀/赤銅

作品名

きりばめぞうがんはち「しゅんかしゅうとう」

切嵌象嵌鉢「春夏秋冬」

制作年:2001年 材質:赤銅/銀/銅/四分一

作品名

うちこみぞうがんつぼ「しだれさくら」

打込象嵌壺「枝垂れ桜」

制作年:2006年 材質:銀/赤銅/銅

作品名

きりばめぞうがんかき「やえつばき」

切嵌象嵌花器「八重椿」

制作年:2008年 材質:銀/赤銅/銅/金

作品名

しゃくどうき

赤銅器

制作年:1981年 材質:赤銅/金

作品名

はぎあわせうちこみぞうがんみずさし「ふみづき」

接合せ打込象嵌水指「文月」

制作年:2015年 材質:銀/赤銅/銅/金/蓋は木

作品名

はぎあわせしょうぶもんかき

接合せ菖蒲文花器

制作年:2017年 材質:銀/赤銅/金

作品名

おぼろぎんはち2018

朧銀鉢2018

制作年:2018年 材質:四分一

人間国宝の技を動画で感じる

鍛金 人間国宝・北区名誉区民 奥山 峰石
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