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東京手描友禅

生地に描き染めていく日本の自然と伝統美

手描き友禅は江戸中期に宮崎友禅斎が創始した、布に模様を描き染めていく技法です。生地に青花(露草からとった染料)で下書きをし、染料がしみ込むのを防ぐ糸目糊(もち米が主成分)で堰をつくることで、緻密な模様を描くことができます。色付けは独特の刷毛を使い、刷毛一筆で濃淡を描き分けたり、友禅特有のボカシを入れることができます。友禅は手作りの一点もの。佐藤さんは図案を決める草案作りにこだわり、伝統と実用美(着姿)を追求しています。写真1点目の作品は、伝統文様の牡丹の花を、花芯にハートをちりばめて豪華にあらわし、葉と枝を撒き蝋を使って「影上がり」にして季節感をやわらげ、年中を通して着られるモダンな振袖にしました。写真2点目の作品は、吉祥文様の霞取りに雪輪、七宝、亀甲、清海波などを配し、華王とよばれるボタンに芍薬、菊、椿、梅、桜などで華々しくし、年中行事にマッチする様に工夫されています。本金・銀の型箔と金線で仕上げ、刺繡をあしらえ、より豪華にしています。

佐藤 信男

さとう のぶお

1945年生まれ。林仙水氏に師事。独立し、創作活動や染色教室を開設している。日本伝統工芸染織展、東京都染芸展等にて入選。最近は都立王子総合高校市民講師として若者に伝統工芸の魅力を伝えている。東京都伝統工芸技術保存連合会北地区会員。

伝統の技を写真で楽しむ

手描友禅振袖「華王ボタン」

手描友禅振袖「霞取り四季草花尽くし模様振袖」

伝統の技を動画で楽しむ

東京手描友禅 佐藤 信男
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