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掲載開始日:2021年1月4日

最終更新日:2021年1月4日

区長の年頭挨拶

令和3年区長の年頭挨拶

 新年あけましておめでとうございます。kucho1
 令和3年の新春を迎えるにあたり、皆さまにご挨拶申し上げます。

 先月、東京都は、この年末年始を感染拡大を止める特別な時期とするため、「年末年始コロナ特別警報」を発出し、この年始には、一都三県の知事が感染拡大防止のため、国に対して緊急事態宣言の発出を要請しました。
 北区でも感染者が増加する中、例年開催させていただいております、新年賀詞交歓会は、中止とさせていただき、年頭のご挨拶につきましても、こうした情勢を踏まえ、急遽オンラインでのご挨拶に代えさせていただくことといたしました。 
 年の初めに皆さま方には大変恐縮ではございますが、感染拡大防止のため、何卒、ご理解いただけますようお願いいたします。

 改めまして、皆さまには北区政に対し、日頃から温かいご支援とご協力をいただいておりますことを、心から厚くお礼申し上げます。
 また、この間、ウイルスとの闘いの最前線に立ち続ける、医療現場や介護現場の皆さま方をはじめ、多くの方々の献身的な御努力に、深い敬意とともに心から感謝申し上げます。
 昨年は、世界中が「コロナウイルス」との闘いの年でありました。
 日本においても、4月に「緊急事態宣言」が発出され、「不要不急の外出自粛の要請」に基づき、学校の臨時休校などをはじめとするステイ・ホームの取組みが全国で行われました。 
 こうした取組みの成果もあり、感染拡大が一時的に減少したものの、社会経済活動への影響は非常に大きく、4月から6月期における国内総生産は、前期に比べ7・9%減、年率換算では28・1%減となり、リーマンショック時の17・9%を超えて戦後最大の減少率となりました。 
 その後、国や東京都の社会経済活動への粘り強い支援などもあり、7月から9月期における国内総生産は、5・3%と回復の兆しを見せておりましたが、11月からは、全国各地で第三波ともいえる感染拡大が起きており、依然として厳しい状況にあります。
 スポーツの分野でも、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」が、オリンピック史上初となる、1年延期が決定されたほか、文化・芸術などあらゆる分野において、コロナ禍の影響が出ています。
 北区においても、新型コロナウイルス対策として「PCR検査センター」の設置や、医療提供体制の整備など、感染防止対策を進めたほか、北区独自の特別定額給付金の支給事務や中小企業金融対策など、6次の補正予算を編成し、区民の皆さまの安全・安心を守りつつ、不安を払拭できるよう、北区ニュースやSNSを活用した情報発信を行い、感染拡大防止に努めながら、区内産業・経済活動の支援をスピード感を持って進めてまいりました。 
 一方、今後の区財政の見通しとしては、ここ数年実施されてきた不合理な税制改正により、一般財源総額の確保に難しさが出ているうえ、区の主要財源である特別区交付金についても、多くの企業がコロナ禍の影響を受け、企業収益は、大企業では、一部に減少幅の縮小がみられるものの、全体としては、大幅な減少が続いていることから、交付金等の歳入減少が見込まれるなど、当面、厳しい財政状況が続くことが見込まれます。 
 こうした中にあっても、私自身が区政の先頭に立って行財政改革を進めながら、一つ一つ課題を克服することで、この難局を乗り越えてまいります。
 皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

 それでは、これより年頭にあたりまして北区政の現況と、今年の主要課題の一端をご説明申し上げます。          
 北区では昨年3月に、今後10年間に区が進めて行くべき、基本的な施策の方向性を示す「北区基本計画2020」を策定いたしました。
 基本計画では、「新たな時代に 未来への希望を紡ぐ ふるさと北区」をコンセプトに、新たな時代に対応した事業を計画化し、夢や希望が未来につながる区政を着実に推進していく考えです。
 一方で、このコロナ禍にあって、社会経済状況は極めて厳しく、全ての計画事業を、従来どおり継続することは困難であると考えています。
 このため、事業の実施にあたっては、区民の皆さまの生活への影響や、事業の優先度・緊急度、さらに、財源の有無などを十分に勘案し、優先順位を定めたうえで、計画事業の一部先送りなど、緊急的な財源対策を講じてまいります。 
 また、基金と起債の、一層の有効的かつ戦略的な活用を行うことで、コロナ禍においても、新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、区民の生命・財産を守るための取組みや住民福祉の維持・向上に努めてまいります。
 そのためにも、「区民とともに」の基本姿勢のもと、区民の皆さまの声をしっかりと伺いながら、「3つの優先課題」を中心に、デジタル化の推進など、今まさに取り組むべき必要がある課題に対して、これまで以上に効果的、効率的に、事業を展開することで、この北区政を、着実に前に推し進めてまいります。

 はじめに、新型コロナウイルス感染症対策についてです。
 感染症対策については、保健所を中心に、全庁を挙げて対応を行っておりますが、引き続き、各種財政支援等に取り組むとともに、情報提供・情報公開を積極的に行い、区民の皆さまの不安を払拭するため、着実に対応してまいります。
 また、北区医師会と十分な連携を図るとともに、PCR検査体制の充実に努めるほか、全区民を対象としたワクチン接種に向けて、万全の体制で臨んでまいります。

 次に、3つの優先課題のうち、「地震・風水害に強い安全・安心なまちづくりに全力」についてです。
首都直下地震や、台風の大型化等に伴う荒川氾濫などの、大規模災害を想定した地震・風水害対策をはじめ、災害に強いまちづくりを一層推進し、区民の生命と財産を守ることに全力で取り組んでまいります。
 特に、大型台風による風水害や、大規模水害を想定した避難行動の在り方については、昨年から取り組んでいるマイ・タイムライン作成支援の取組みをはじめ、区内全避難所を対象とした、避難所開設訓練を順次実施するほか、要配慮者に対する避難の在り方に関する支援など、地域の防災力向上と円滑な避難体制の構築に、引き続き、力を入れて取り組んでまいります。

 次に、「長生きするなら北区が一番」についてです。
 人生百年時代を見据えた健康長寿社会の実現に向け、「いきがい活動センター・きらりあ北」を今週末の1月8日から開設し、高齢者の就労や社会参加につながる「いきがいづくり」の支援を行ってまいります。 
 また、北区版地域包括ケアシステムを深化させる取組みを推進し、世代や分野を問わず、すべての人々が地域・暮らし・いきがいを、ともに創り、高め合うことができる「地域共生社会」の実現を目指し、「北区地域包括ケア推進計画」を策定してまいります。 

 次に、「子育てするなら北区が一番」についてです。
 このコロナ禍において、出産後の不安解消など保護者の育児不安の解消は、ますます重要性を増しています。
 妊娠期から、切れ目のない支援の充実のため、産後デイケア事業について、引き続き、力を入れて取り組んでいくとともに、母子保健事業や子育て相談事業について、オンラインによる面接・相談等を順次実施するなど、子育てファミリー層・若年層が安心して住み続けられる環境づくりに取り組んでまいります。
 また、引き続き、保育所・学童クラブの待機児童解消に向けた定員拡大・新規施設の開設を行ってまいります。
 「教育」の分野では、本年4月のギガスクール構想の実現に向け、「一人一台端末」の整備や「高速大容量通信ネットワークの整備」と合わせて、ICTを活用した児童・生徒の特性に適した学びの実現に向けた取組みを、さらに加速させてまいります。 
 学校の改築では、王子第一小学校の今年9月の開設に向けて整備を進めるとともに、西が丘小学校の建設工事や、滝野川第四小学校のリノベーション事業も鋭意進めるほか、引き続き、北区初の施設一体型小中一貫校である「(仮称)都の北学園」の整備や、飛鳥中学校のリノベーション工事も着実に進めてまいります。
 コロナ禍にあっても、未来を担う子どもたちのために、ICTも活用した教育環境の向上を図り、「教育先進都市・北区」をさらに推し進めてまいります。

 次に、北区の新たな魅力や、価値を創出する施策の展開についてです。
 まちづくりの分野では、「駅周辺のまちづくり」や「防災まちづくり」を中心とした面的整備を一層推進してまいります。
 王子駅周辺においては、「東京の北の交流拠点 水と緑豊かな王子」の実現に向け、JR王子駅改良に向け、影響検討調査を行うとともに、引き続き、新庁舎建設に向けた検討を深めてまいります。
 十条駅周辺においては、いよいよ、西口地区市街地再開発事業が本格的に動き始めました。
 引き続き、東京都や関係機関と連携・協力して、十条駅付近連続立体交差事業や鉄道付属街路事業を着実に推進してまいります。
 赤羽駅周辺においては、赤羽一丁目地区における市街地再開発事業を、引き続き支援するとともに、旧赤羽台東小学校跡地の利活用を含め、赤羽台周辺のまちづくりを進めてまいります。
 さらに、コミュニティバスの令和4年度の新規路線モデル運行に向けて、運行事業者の選定や、路線の検討を進めてまいります。
 また、魅力ある公園づくりでは、飛鳥山公園へのP-PFIの導入に向け、事業者公募を開始したほか、(仮称)赤羽台のもり公園、(仮称)滝野川三丁目公園、名主の滝公園の整備等を進め、区民の皆さまが愛着を感じ、生活にやすらぎとうるおいを与え、人々が集まり、笑顔があふれる、魅力ある公園づくりを推進してまいります。
 産業の分野では、新型コロナウイルス感染拡大防止のための設備投資支援事業や、中小企業等支援のための融資斡旋など、引き続き、力を入れて取り組むほか、地域における消費喚起を促すとともに、感染症の予防及びキャッシュレス社会の実現に向け、区内中小店舗を対象としたキャッシュレス決済導入支援事業について、具体的な検討を行ってまいります。

 以上、北区政の現況と主要課題の一端を申し上げてまいりました。
 コロナ禍の影響により、社会経済情勢は極めて厳しく、感染拡大防止に向けた取組みなど、新たな行政課題も発生し、区の財政状況は非常に厳しく、予断を許さない状況です。
 本日、お示しをしました施策を進めるためには、「北区経営改革プラン2020」を着実に推進し、さらなる内部努力の徹底や、歳入確保に努めるとともに、行政のデジタル化を推進し、施策や業務の利便性・効率性を高めてまいります。

 さて、東京北区から日本を導いた、渋沢栄一翁を主人公とした大河ドラマ「青天を衝け」が、2月14日からいよいよ放映されます。
 これに合わせて、23区初の大河ドラマ館を北区飛鳥山博物館内に、2月20日にオープンしてまいります。
 東京北区観光協会や民間企業など、官民連携で取り組んでいる「渋沢栄一プロジェクト」をはじめ、さまざまな分野で、北区の強みや魅力的な資源を総動員し、区内外に戦略的・効果的に魅力を発信するシティプロモーションを展開することで、北区の知名度向上とイメージアップへとつなげ、区民の皆さまが、北区に住むことの愛着と誇りを感じられるよう、一層の取組みを進めてまいります。 
 また、区の進むべき方向性や、将来像を定めた「北区基本構想」は、平成11年に策定し、
20年以上が経過しました。
 この間、社会情勢は大きく変化しており、行政のデジタル化の推進やSDGsの推進、脱炭素社会や多様性社会の実現など、新たな課題への対応が求められています。 
 コロナ禍にありながらも、この国難を乗り越えた先にある、新たな時代に適合した、誰もが未来に夢と希望を持つことができる北区の将来像を定める必要があるため、「新北区基本構想」の策定に着手してまいります。
 私が、区長就任以来掲げ続けてきた、「区民とともに」の基本姿勢のもと、区民の皆さまと一緒になって、この難局を乗り越えた先の、区の目指すべき新たな将来像を描きながら、職員と一丸となって、北区政の推進に全力で取り組んでまいります。
 区民の皆さまには、引き続き、温かいご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げ、令和3年の年頭にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。

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所属課室:総務部総務課総務係

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