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東京仏壇

木地の持ち味を生かした簡素で荘厳な美しさ

家庭に仏壇を置くようになったのは江戸中頃からといわれており、東京、大阪が仏壇の2大産地でした。東京仏壇は、木地本来の持ち味を生かしたシンプルで丈夫な作りが特色。また「唐木仏壇」のひとつで、黒檀、紫檀などの唐木が素材でしたが、近年は桑、屋久杉なども使います。
仏壇作りは主に4つの工程(木地工程・彫刻工程・塗り工程・組立工程)があります。まず、木地の目合い、色合いの素晴らしい素材を選びます。大まかな設計図となる「もりつけ板」という部品の寸法を書いてある1枚の板を使い、この寸法に基づいて木材を削り、部品ごとに形にしていきます。唐木は固いので釘を使わない接着方法で組み立てます。東京仏壇の特長でもある面の丸みとやわらかさを現すためにヤスリでひとつひとつ磨いて作っていきます。手作りなので、角の丸みを変えたりその職人ならではのやわらかさや味も出てきます。「先祖があるから私たちがいる。仏壇の中には小さなお寺もある。大切にお参りしてほしい」と願っています。

岩田 晴芳

いわた はるよし

1947年生まれ。68年父に師事し仏壇の製作に入る。96年北区区民文化奨励賞。02年東京都産業労働局長賞受賞。東京都伝統工芸技術保存連合会北地区会員。2019年東京都伝統工芸士認定。

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紫檀 七宝菊紋様 16号

屋久杉 框 20号

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東京仏壇 岩田 晴芳
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