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掲載開始日:2022年1月5日

最終更新日:2022年1月5日

令和4年区長年頭の挨拶

220104-1

新年あけましておめでとうございます。

令和4年の新春を迎えるにあたり、皆さまにご挨拶申し上げます。

昨年は年末年始にかけて感染急拡大の時期にあって、年頭のご挨拶を急きょ、オンラインでのご挨拶に代えさせていただきました。

今年は、従前のように、区内各界を代表される皆さま方と、このように一堂に会し、和やかに交歓できますことが、改めて、私自身にとって、この上ない喜びであると痛感しています。

皆さまには、北区政に対し、日頃から温かいご支援とご協力をいただいておりますことを、心から厚く、お礼申し上げます。

また、長きにわたり、ウイルスとの闘いの最前線に立ち続けている、医療現場や介護現場の皆さま方をはじめ、飲食店等における時短営業など、感染拡大防止にむけて、多くの方々に献身的な御努力をいただきましたこと、深い敬意とともに、心から感謝申し上げます。

さて、昨年は1年延期となった、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されました。

緊急事態宣言下にあって、史上初となる無観客での開催にはなりましたが、日本選手団の活躍もめざましく、日本人選手をはじめ、世界中のオリンピアン、パラリンピアンの活躍が、コロナ禍にあってもなお、若者や子どもたちはもちろん、多くの人々に勇気や希望、夢や感動を与えた、素晴らしい機会であったと考えています。

また北区においては、東京北区から日本を導いた、渋沢栄一翁を主人公とした大河ドラマ「青天を衝け」の放映に合わせて、飛鳥山博物館内に23区初となる大河ドラマ館を開設したほか、東京北区観光協会や民間企業など、公民連携で取り組んでいる「渋沢栄一プロジェクト」をはじめ、さまざまな分野で、北区の強みや魅力的な資源を活用し、シティプロモーションの取組みを進めてきた1年でもありました。

引き続き、令和6年度の新紙幣の発行に向けて、渋沢翁が私たちに残した、今なお、色あせない精神を学び直すとともに、区内外の多くの方に、北区の魅力を知っていただけるよう取り組んでまいります。

一方で、昨年も感染症対策やワクチン接種など、新型コロナウイルスへの対応を余儀なくされた年でありました。

全国各地で年末から年始にかけての感染急拡大に始まり、特に、都内においては4月中旬から9月末までの約半年間は、緊急事態宣言などによる制限下にありました。

こうした厳しい中にあっても、全国各地で感染症対策の切り札と言われる、ワクチン接種が進められ、現時点で、日本全国における2回のワクチン接種を完了した方の割合は約8割に、北区においては対象者の8割半ばを超えており、世界的に見ても非常に高い水準となっています。

北区では、区内3か所に開設したワクチン接種センターを中心に、医師会をはじめ、多くの病院・診療所にもご協力をいただきながら3層の接種体制を確保し、区民の皆さまの接種を推進してまいりました。

また、感染症対策などにあたっては、危機管理対策本部を速やかに設置し、PCR検査体制の充実などに努めてきたほか、7次の補正予算を編成し、スピード感をもって、区内産業・経済活動の支援なども行ってまいりました。

これまでのワクチン接種や感染防止の取組みの成果もあり、足元においては感染者の数は落ち着きを見せ、都内をはじめ、全国に発令されていた緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置は全て解除されました。

こうしたことから、景気は、新型コロナによる厳しい状況が徐々に緩和される中で、このところ持ち直しの動きが見られます。

一方で、供給面での制約や原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意する必要があるほか、感染症による内外経済への影響や金融資本市場の変動等の影響も注視する必要があります。

こうしたなか、区では今後、経済活動の活発化に加え、納税義務者数の増加が見込まれることから、特別区交付金や特別区民税の歳入の増加が期待されますが、一方で、新たな変異株の出現により、経済の先行きリスクが高まっています。引き続き社会経済情勢等の動向に留意してまいりたいと考えています。

それでは、これより年頭にあたりまして北区政の現況と今年の主要課題の一端をご説明申し上げます。

北区では、昨年六月に「北区ゼロカーボンシティ」を宣言いたしました。

地球温暖化の進行を抑え、気候変動リスクを低下させるために、2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを、区民の皆さまとともに、目指してまいります。

また「基本計画2020」で掲げる事業についても、コロナ禍による緊急的な財源対策により、事業の先送り等を行っておりましたが、現下の社会経済状況を見極めつつ、優先順位を定めて、順次再開してまいります。

事業の実施にあたっては、本格的に展開している駅周辺のまちづくりをはじめ、学校改築などの計画事業を着実に推進するとともに、今後増加する行政需要に対して的確に対応する必要があることから、将来を見据え、特定目的基金への積み立ても行いながら、計画的な行財政運営に努めてまいります。

このためにも「区民とともに」の基本姿勢のもと、区民の皆さまの声にしっかりと耳を傾けながら、感染症対策・ワクチン接種に万全を期すとともに、ゼロカーボンシティの実現をはじめとするSDGsへの取組みに加え、デジタル化の推進など、新たな課題へも的確に対応することで、北区政を着実に推進してまいります。

それでは、主な取組みについて、ご説明いたします。

はじめに、新型コロナウイルス感染症対策についてです。

感染症対策については、今後の第6波への備えを含めて保健所を中心に、医療体制の確保や在宅支援体制の強化など、引き続き、全庁体制で取り組んでまいります。

また、3回目のワクチン接種については、2回目接種を終了した18歳以上の方のうち、概ね8カ月を経過した方を対象に、順次接種券の発送を行ってまいります。

接種の実施にあたっては、コールセンターの回線を倍増させるとともに、案内窓口の設置や接種に際しての移動支援を行うなど、万全の体制で対応してまいるほか、国・東京都と連携をして各種財政支援策などに取り組んでまいります。

新たな課題への対応としては、ゼロカーボンシティの実現に向けて、全てのプラスチック・リサイクルに向けた取組みを開始するほか、庁舎における再生可能エネルギーの導入を進めてまいります。

また、行政のデジタル化に向けた取組みでは、新たに外部専門人材を登用して、自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)方針の策定をはじめ、ニーズの高いキャッシュレス決済やオンライン申請の導入など、北区のデジタル化に向けた取組みを加速化させてまいります。

さらに、多様性社会の推進のため、新たにパートナーシップ宣誓制度をこの春より導入してまいります。

次に、三つの優先課題のうち、「地震・風水害に強い安全・安心なまちづくりに全力」についてです。

あらゆる大規模自然災害等を想定し、事前に取組むべき施策の方向や対策を定めた「国土強靭化地域計画」を、この春に策定してまいります。

また、従前から取り組んでおります、マイ・タイムライン作成支援の取組みをはじめ、要配慮者に対する避難のあり方や、大規模水害時における避難行動支援計画の策定に向けて、検討を進めてまいります。

次に、「長生きするなら北区が一番」についてです。

コロナ禍により中止していた、対面での運動やフレイル予防などの各種事業も徐々に再開をしております。今後も感染状況に注意しながら、高齢者に元気に過ごしていただくための活動を行ってまいります。

また、現在実施している上中里つつじ荘の大規模改修を着実に進め、この秋をめどに運営を再開させるとともに、引き続き、清水坂あじさい荘の大規模改修に向けて、所要の準備を開始してまいります。

次に、「子育てするなら北区が一番」についてです。

昨年来、力を入れて取り組んでいる産後デイケア事業をさらに推し進めるとともに、令和8年度末の児童相談所開設に向けた準備を進めるほか、保育園や幼稚園の充実はもとより、学童クラブを中心とする待機児童の解消に向けた定員拡大・新規施設の開設を行ってまいります。

また、コロナ禍にあって生活にお困りの方や、子育て世帯への支援についても、注力してまいります。

「教育」の分野では、昨年4月に導入したGIGAスクール構想をさらに推し進め、児童・生徒の特性に適した学びの実現に向けた取組みを、さらに深化させてまいります。

また、学校の改築では、堀船中学校の改築に向けて設計を開始してまいります。

次に、北区の新たな魅力や価値を創出する施策の展開についてです。

まちづくりの分野では、まず、本格化する「駅周辺のまちづくり」に対応するため、新たに技監職を配置し、国や東京都、鉄道事業者などとも連携しながら、スピード感をもって事業の実現化を図ってまいります。

赤羽駅周辺においては、UR都市機構との連携協定に基づき、旧赤羽台東小学校跡地とUR用地との一体活用に向けて、事業者公募を開始してまいります。

十条駅周辺においては、事業の進捗状況を踏まえ、次の展開を見据えたまちづくりの方針を打ち出すため、新たな「十条地区まちづくり基本構想」を策定してまいります。

王子駅周辺においては、ガイドライン策定委員会を設置し本格的な議論を開始いたしました。現在検討を進めている、新庁舎建設基本計画と合わせて、新たな王子の姿を描いてまいるほか、東十条駅周辺においても、跨線橋の架替整備に合わせた、新たなまちづくりの計画の策定に向けて、検討に着手してまいります。

また、浮間地域において、本年12月のコミュニティバスの試験運行に向けて関係者間との協議を行ってまいります。

さらに、魅力ある公園づくりでは、滝野川三丁目公園をこの春にオープンするほか、飛鳥山公園のPark-PFI制度による運営の開始に向けて準備を進めてまいります。また、渋沢翁が居を構えた飛鳥山の魅力を最大限に生かすため、公民連携による、飛鳥山のさらなる魅力向上のための検討を行ってまいります。

産業の分野では、昨年から力を入れて取り組んでおります、感染症対策への支援及びキャッシュレス社会の実現に向けた取組みのほか、アフターコロナやゼロカーボンシティを見据えた産業のあり方についても、検討してまいります。

以上、北区政の現況と主要課題の一端を申し上げてまいりました。

長引くコロナ禍の影響により、厳しい社会経済状況が続いておりましたが、感染者数の減少とともに、一部には景気の動向も改善が見られる一方、原油など世界的な原材料価格の高騰などにより、先行きは不透明で、予断を許さない状況です。

引き続き「北区経営改革プラン2020」を着実に推進し、さらなる内部努力の徹底や歳入確保策に努め、安定的で持続可能な区政運営を目指してまいります。

昨年の第1回定例会で所信を表明する際に、渋沢翁の信条の一節を引用させていただきました。

「一物に接するにも、必ず満身の精神を以てすべし」

一つひとつの事に全身全霊をもってあたるべき、というものです。

大河ドラマの渋沢翁も、新たな取組みに「おかしれぇ」と心を躍らせ、世界と伍する日本となるよう、さまざまな困難に遭いながらも、己の信条を曲げずに全身全霊をもって立ち向かっていく姿が描かれていました。

私が区長に就任して、今年で20年となります。

このかん「区民とともに」の基本姿勢を貫き、「満身の精神」をもって、多くの皆さまのご協力をいただきながら、一歩一歩、この北区を前に前に推し進めてまいりました。

昨年より、新たな北区の将来像を定める「北区基本構想」の策定に向けて、区民の皆さまのほか、各団体の代表、北区議会など、多くの皆さまにご参画いただき、本格的な議論を開始いたしました。

将来にわたり、北区に住まい、働き、通い、関わる全ての皆さまが北区に愛着と誇りをもち、「北区って、おかしれぇ」と思える、思っていただける北区となるよう、新たな区の将来像の礎を、区長就任20年という節目となる年に、区民の皆さまとともに築いてまいります。

区民の皆さまには、引き続き、温かいご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げ、令和4年の年頭にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。

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